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通販/ダイレクト

いまこそ、顧客リピートの強化を! 活性化されにくい、その理由を探って手を打とう ~黒字化以降の戦略と課題⑥

通販・ダイレクトマーケティングの基礎講座 〈vol.41〉

今回も前回に引き続き、顧客リピート(LTV)に関わる内容です。
なかなかリピートが活性化しないことの背景や要因について、お話し致します。

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なぜ顧客リピートが活性化されにくいのか?

1 顧客との関係性を考えなくてもリピートする場合がある

継続性を求める顧客リピートは、通販事業社と顧客との関係性を強化・良好にしていくうえに成り立ちます。あえて「継続性」としたのは、短期的であれば顧客との関係性を考慮しなくてもリピートしてもらう方法がたくさんあるからです。

たとえばオファーが強力だったり、商材展開において先駆者(競合先がいない・少ない)だったり、外的要因で顧客の購買意向が高まったり等、さまざまな理由で短期的に「売れる」ことは実は意外によくあります。しかし、それらに甘んじて顧客と向き合わなければ、大きなしっぺがえしを食らうことになります。つまり、顧客離れを起こすのです。

そもそも、前述したようなプラス要因はいずれ効果が低くなっていくので、それらに頼りきった施策を行っているとどこかで頭打ちになってしまいます。そして、顧客が商品購入を判断する理由は、衝動性を煽られたり損得感情を刺激されるようなことだけではありません。事業社に対する信頼や、商品を使った後の効果、そしてその効果を得た後の目的の達成等、とても幅広いのです。

とくに、健康食品や化粧品はその傾向が強いので、顧客との商取引(BtoC)に不慣れな事業社は注意が必要です。注意して欲しいのは、決してこれらの衝動性を煽るような施策が必要ないという訳ではなりません。むしろ、これらの手法を使わずにリピートを求めることは理想的ですが、多くの通販事業社が競合している現状を考えると現実的ではなく、非常に難しいと言えます。要するに、テクニックのみに依存するのではなく、「人対人」というBtoCの基本を頭に置いて商品を売っていくことが大切なのです。

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2 顧客リピートに対する重要性を理解できていない

「顧客リピートが重要ではない」とする事業社はいないと思います。各社ともに重要度を高く設定し、より顧客リピートを重要視していかなければならないと考える事業社が多くいらっしゃいます。しかし、現場を見るとそうなっていない、いわゆる言動不一致になっていることも見受けられます。なぜでしょうか。

リピート型通販事業の売り上げは、新規顧客獲得と顧客リピートによってつくられますが、新規顧客獲得自体は短期的には赤字であることと、過当競争により大幅な改善を見込むことが全体の流れとして厳しいという状況の中、必然的に「では、リピートで辻褄をあわせよう」という発想になるのです。しかし、それを実行するための人員配置や推進方法の改善等が現場レベルで行われにくいようです。

また、新客獲得販促が「当たって」順調に事業立ち上げ(黒字化)ができることがあります。現在、通販市場は競争が激化しており、劇的にCPOが低くなることは少なくなっていますが、稀に異常値とも言えるような反応が出ることがあり、そうなると事業の黒字化までの時間が大幅に短縮されることもあります。

しかし、このような状態は長続きしませんし、何度も「当たり」は出てきません。また、立ち上げ初期にこのような「当たり」に出くわしてしまうと、仮説を立てながら地道にPDCAを展開するノウハウも蓄積しにくいので、CPOが頭打ちして悪化し始めると対策を打つことが難しくなってしまいます。新規顧客獲得で成功事例を経験したので、そこにこだわりすぎて本来地道にリピートを積み重ねていくべきことが見えなくなってしまうようなのです。

そして、もうひとつの要因は、リピート販促の効果測定がしにくいことです。新規顧客獲得は、出稿してそのレスポンスを要素分解し、効果的だった要素を抽出しながらブラッシュアップしていきます。それに対してリピート販促は、購買衝動性を刺激することを優先せざるを得ない新規顧客獲得施策とは異なり、継続購入してもらうための詳細な商品情報や安心・信頼を得るための企業や製造・原材料等の商品の効果以外の情報等も必要なのにも関わらず、その販促実施時にレスポンスに対して有効だったのはどの要素だったかを分解して評価するのは非常に難易度が高いのです。

そして、それにスタッフの顧客意識が低いことが重なると、本来発信すべき情報は少なくなり、効果測定がしやすく反応が得られやすい値引き等の小手先の手法に流れていきます。会議内容も、顧客が必要としている情報は何か、どのような伝え方をすれば商品理解が促進できるか、購入しなくなった原因は何か、というような本来商品を購入してもらうことの本質に関わる議論がされなくなります。顧客がその商品を購入することに対して何を期待しているかを考えずに購買衝動性を煽る、どちらかというと主従の従であるべきことしか考えられない事業社に対して、顧客は商品や販売社に期待と信頼を持って継続購入するでしょうか。多くの店舗に並んでいるナショナルブランドの商品であれば、利便性や価格設定によって成り立ちますが、付加価値の高い差別化戦略を取っているのであれば、それは戦略と戦術との乖離が大きくなった状態だと言えるでしょう。

自分が購入側に立って考えればわかるようなことが、ビジネスという土俵にあがると、途端に消費者心理が理解しづらくなるのがBtoCの怖さでもあります。だからこそ、担当者1人だけでなく、チーム相互で補完しあえる体制をつくることが重要だと思います。

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次回も引き続き、顧客リピートに関する内容を予定しています。

PROFILE

戸川 孝一

株式会社電通西日本 

ダイレクトビジネスプロデュース室

ビジネスディベロップメントディレクター

1999年、電通西日本に入社。 以来16年間、営業職として、オフラインを中心に、様々な業種のクライアント様の業務支援を担当。その後、内勤職への異動に伴い、ダイレクト領域とデジタル領域を担うプランナーに転身。現在に至る。 顧客データをベースとしたダイレクトクライアント様の『オンライン×オフラインを駆使した新規顧客獲得』から、『セグメントに基づく顧客育成』までワンストップで対応。 各クライアント様のレスポンス数字と向き合いながら、身を持って、数字の『楽しさ』と『怖さ』を実感する、一喜一憂の毎日。

■通販エキスパート1級

■上級WEB解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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