最終目標達成の肝。KPIの正しい設定を学ぶ!>
「自社サイトでの集客が思うように進まない」「自社サイトを変えたが売上が向上しない」。もし、そんな事態が起きているなら、それはKPIの設定に原因があるかもしれません。KPIを正しく設定することは、WEBサイト成功の道への第一歩。これから、WEBサイトに取りかかるという新米担当者の方も、KPIの設定を理解しておくことは、まずやっておくべき必須項目です。そこで、KPIとは何か、どう設定すればいいか、その際の注意点は何かを順を追ってご紹介します。
その前に大前提。「KPI」と「KGI」の違いについて。

「KPI」とは「Key Performance Indicator(キーパフォーマンスインジゲーター)」 の略で、目標の達成度合いを測る具体的な指標のこと。一方、「KGI」とは「Key Goal Indicator(キー・ゴール・インジゲーター)」の略で、組織や事業の長期的あるいは最終的な目標を表します。「KGI」という最終目標があり、そこに到達するために「KPI」を設定してチェックや改善を行います。わかりやすく言えば、マラソンで3時間でゴールするという目標(=KGI)があるとすると、その達成のために20km地点は1時間半で通過するという設定(=KPI)を行うようなものです。それぞれのランナーの走るスタイルによって、KPIの設定もそれぞれ変わってきます。同じように、自社サイトの特性や課題によって、KPIは変わってくるということをまず押さえておきましょう。
KPIを設定する前に

その①:最低条件をクリアせよ
まず、下記の3つの条件をクリアすることが第一段階。せっかく決めたKPIが、きちんと機能するために必須の項目です。
条件1.最終目標「KGI」に紐づいていること
KPIは、あくまでもKGIを達成するためのプロセスがクリアできているかを検証する指標ですので、KGIに紐づいていることが必須です。
条件2.具体的な期間・数値を定めること
KPIは、具体的な期間・数値で定めましょう(もちろんKGIも同様です)。例えば、「3ヵ月後にROAS(広告費用の回収率=売上÷広告費×100)を1,000%にする」といった具合です。「CPA(獲得効率)を改善する」といった抽象的な設定はNGです。
条件3.意思決定・行動に繋がること
KPIは、最終目標KGIを達成するための軌道修正に使うべきものです。測定できる数値を何でもかんでもKPIにすると、結局何をしたらいいのかがわからなくなってしまいます。ある程度は絞り込み、関わる人たちの意思決定・行動に繋がるという部分がとても重要です。
KPIを設定する前に
その②:3つの視点から吟味せよ

KPIを設定するのは、あくまでも最終目標であるKGIを達成するため。これから決めるKPIが適正なチェック&修正機能を果たすことができるのか、下記の3つの視点で吟味しましょう。
視点1.KGIに与える「影響度」はどれくらいか
設定したKPIが、 KGIにどれぐらいの影響を与えるのかについて 事前によく考えましょう。
視点2.KPI改善施策の「実現性」はあるか
設定したKPIを改善する時には、そのための施策が実行しにくいものではなく、実行しやすいものにすることが適切です。
視点3.KPI改善施策としての「成功率」は高いか
設定したKPIを改善する時には、改善できる確率が高いものにすることが大切です。
準備は万端。いざ、KPIを設定しよう!
設定前に押さえるべき基本事項は学びました。では、いよいよKPIを下記の3つのSTEPに従って決めましょう。

STEP 1:最終ゴールであるKGIを決める
KGIは具体的な期間・数値で設定します。例えば、「EC(Electronic Commerce:電子商取引)の売上を、1年後に2倍にする。」といったKGIが挙げられます。
STEP 2:KGIを構成要素で分解する
最初に決めたKGIが、どういった要素から構成されているのかを検証します。例えば、売上をKGIとする場合、「売上=顧客数×顧客単価」といったように分解することができます。さらに、「顧客数=訪問者数×CVR(ConVersion Rate:購入率)」、「顧客単価=1回当たりの購入額×購入頻度」と、構成要素をどんどん分解することによって、より現実的なレベルで指標を検討することができるようになります。
STEP 3:最も有効なKPIを選ぶ
STEP2で分解した指標の中から、前段でお伝えした「KGIに与える影響度」、「KPI改善施策の実現性」、「KPI改善施策の成功率」の3つの視点に基づき、最も有効なKPIを選びましょう。
<課題・目標別、KPIの設定例>
・例1:CVRが低く、クリエイティブによって改善できる見込みがあれば
CVRをKPIとして設定(※CVRをKPIにする時の注意点は改めて下記にご説明します)
・例2:1回当たりの購入額が低く、複数商品購入割引サービス導入によって改善できるようであれば
「1回当たりの購入額」をKPIとして設定
・例3:そもそもサイトの訪問者数が少ない場合は、「クリック率」をKPIとして設定