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通販/ダイレクト

よい取引先を選定するには、細やかなヒヤリングと説明を心がけて!

~クリエーティブ領域の発注先選定の為のポイント2つ×注意点2つ
通販・ダイレクトマーケティングの基礎講座 〈vol.23〉

基盤をつくり、事業を成功させるために

通販事業を立ち上げて最初の目標となる「黒字化」について、これまで数回にわけて述べてきました。
繰り返しになりますが、この「黒字化まで」という目標は、単に経営状態としてとらえるだけではありません。それ以降、事業を効果的に成長させていくために必要な基盤づくりも並行して形成される、非常に重要なフェーズとしてとらえましょう。

それでは、基盤づくりの中でも事業成功のために大切な要因のひとつである、取引先の選定について、今回から数回にわけて説明していきたいと思います。

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通販事業の外注=取引先への業務発注とは?

前回までの記事でも概略を説明している通り、重要な機能を外注することが多い(せざるを得ない)通販事業では、そのための取引先を選定し、よりよい関係で連携して質の高い業務を行っていくことが事業を成功させるための要因のひとつと言えます。通販事業を展開するにあたり、制作、出稿、テレマーケティング(受注、顧客対応等)等の機能のどれを社内・社外で対応するかは、事業社の事業方針やリソース(資金や人材等)によって異なりますが、事業立ち上げ時からすべてを内制化するケースはあまり多く見られません。

その理由は、現実問題としてはリソース不足が大きく、さらにはそれぞれの業務内容が大きく異なることに加え、高い専門性が必要であることから、外注することによる「餅は餅屋」的な考え方がひとつの最適解と言えるからではないでしょうか。

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よい取引先を選ぶための2つのポイント

業態や業務内容によって、取引先に必要な機能や活用方法は異なります。通販事業はシステマチックな反面、俗人的な側面も強いため、事業を立ち上げて売上や利益の規模を拡大し、事業を成長させていく過程で、事業社のスタッフはもちろんのこと、取引先のスタッフも成長するからです。「取引先スタッフの成長」というと少し誤解が生じるかもしれませんが、ここで言いたいのは、事業社の扱う商材や企業の特徴、事業展開戦略・戦術等の好みや癖を着実にとらえることで、エンドユーザーに伝えるクリエーティブの濃度(質)が高まっていく、というようなニュアンスです。
今回はまず、制作業務に関して、取引先を選定する際のポイントを説明していきましょう。

選定のポイント1:類似業務の経験とスキルがある

制作業務は、制作会社や広告会社、印刷会社の制作部門等が、この機能を発注する取引先になります。発注先を検討する上で重要、というよりも、最低限必要なポイントは、事業社と類似した業務の経験がどれくらいあるか、つまり「経験とスキルレベル」です。これは、単に扱う商材のみが合致しているだけでは十分とは言えません。事業戦略まで含めて、どれだけ自社事業に類似した経験があるかを確認する必要があります。

たとえば、実店舗や競合先でも販売している流通商材か、差別化を戦略とするオリジナル商材か。事業規模は立ち上げからの対応なのか、ある程度売り上げの安定した大手なのか。展開カテゴリーのマジョリティを目指すのか、マイノリティだけれど独自路線を進むのか、等です。自社の商材、戦略、規模等、すべてと合致することは難しいかもしれませんが、できるだけ詳しくヒヤリングすることをお勧めします。

そして、その経験やスキルは制作会社としての経験なのか、発注する案件を対応するスタッフが有しているものなのか、といった細かな部分まで確認しておくのが望ましいです。制作会社による最初のプレゼン等では、自社事業にとても類似する経験とスキルがあるような紹介をしていて、いざ発注してみると担当したスタッフの経験は非常に拙かった、という冗談にもならないようなことが実際多くあるからです。

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制作先の選定のポイント2:商材や事業社に対する関心を高める

そして、差別化戦略を展開する場合に重要なのが、制作スタッフの通販事業社や商材に対する関心度です。ポイント1で説明した類似業務の一定以上の経験やスキルは最低限必要な要素であり、これが十分であっても、効果的な制作業務が進められ、クオリティの高い制作物ができるとは限りません。むしろ、ここで述べる事業社や商材に対する関心度が低ければ、経験やスキルが役に立たず、逆にトラブルを生じさせてしまうことも少なくないのです。

オリジナル商材を差別化戦略で展開する企業の多くは、商品そのものの良し悪しだけでなく、訴求情報等も含めて付加価値を高めて差別化を図ります。そう考えると、その情報をクリエーティブに落とし込んで伝える役割である制作スタッフが商材等に対して関心を持てなければ、その先にいるエンドユーザーに差別化ポイント:商品のよさが伝わらないのは自明の理とも言えます。

そして、この非常に重要である「関心」を制作スタッフが持てるかどうかは、制作側ではなくむしろ事業社側にあるのです。つまり、類似する競合他社の商品と比べていかに自社商品が優れており、ユーザーに対してどんな高い価値を提供できるかという説明をして、制作スタッフに事業社や商品のファンになってもらわなければならないのです。ある程度の経験とスキルがあるのに、制作スタッフの商品理解が低い、あるいはコンテンツの完成度が低いと感じる場合、実は制作を発注した事業社にその原因の一端があるかもしれません。

この、「取引先を自社の通販事業のファンにする」という考え方は、制作以外の取引先全般に対しても大切なことなのですが、制作とテレマーケティングは事業社の声をエンドユーザーに届けるメッセンジャーとも言えるので、とくに気をつけなければなりません。

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制作先選定のための2つの注意点

制作先を検討する際には、上記で述べた2つは最低限必要なポイントです。お客さまに直接伝わるメッセージであるクリエーティブ制作を発注するということは、ある意味ビジネスという戦いの中で背中を預けるに等しいのではないでしょうか。だからこそ、事業社から制作先への一方的なチェックだけでなく、制作スタッフが事業社に対してどのような印象を持っているか、自分たちは制作スタッフから長いおつきあいができる相手であり、自社や商品はその先のお客さまに対して自信をもってお勧めできるか、というような逆視点でのチェックもしてみてはどうでしょうか。

そして、トラブルにつながりやすい注意点をもう一点。商材や戦略にもよりますが、多くの通販商材のクリエーティブは、基本的には論理性をベースに制作すべきだと考えます。世界観やイメージを表現するクリエーティブ(企業広告やイメージ広告等)では、それ以外の情緒的な要素が強くなりますが、新規顧客獲得やリピート促進等の実際のレスポンスを目的とするクリエーティブでは、「なんとなく」はなるべく排除して考えたほうがよいとされています。

対して、制作スタッフは情緒的・感覚的な側面が強い方が多いことから、しっかりと制作にあたっての考え方や方向性を提示しておかなければ、「できあがったものがこちらの意図とズレていたり」「何度もつくり直しをお願いしなくてはいけない」等の、トラブルにつながることもあります。制作をお願いする際には、商品等の説明はもちろんですが、自分たちがどのような観点でクリエーティブをチェック・評価するのかをしっかりと伝え続けることが、トラブルを減らし、効果的な業務推進をするための予防となるのです。この右脳と左脳の両立が、成功への第一歩になると思います。

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PROFILE

戸川 孝一

株式会社電通西日本 

コミュニケーションプランニングセンター

ビジネスディベロップメントディレクター

1999年、電通西日本に入社。 以来16年間、営業職として、オフラインを中心に、様々な業種のクライアント様の業務支援を担当。その後、内勤職への異動に伴い、ダイレクト領域とデジタル領域を担うプランナーに転身。現在に至る。 顧客データをベースとしたダイレクトクライアント様の『オンライン×オフラインを駆使した新規顧客獲得』から、『セグメントに基づく顧客育成』までワンストップで対応。 各クライアント様のレスポンス数字と向き合いながら、身を持って、数字の『楽しさ』と『怖さ』を実感する、一喜一憂の毎日。

■通販エキスパート1級

■WEB解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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