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アクセス解析ツールだけでは不十分! ターゲットや自社顧客の「意識」を把握できる調査の方法とは?

~デキるEC 担当者になるための次の一手~ Vol.6

アクセス解析ツールでは分からない。ターゲット・自社顧客の「意識データ」

自社サイトの運営において、Google Analytics等のアクセス解析ツールで取得データを分析し、その結果を活用している方は多いと思います。しかし、アクセス解析ツールではサイトを訪問しているのは何人か、どのページが見られているのかといった「行動データ」を検証することはできますが、サイトやページに対してどういった印象を抱いているのかといった「意識データ」を検証することはできません。
そのため、下記のようなことを把握することは困難でしょう。
・サイト訪問者は、サイト内コンテンツを読んでどのような印象を抱いているのか?
・サイトで商品を購入した人は、どういった点に魅力を感じているのか?
・サイトには来ていないけれども、商品・サービスに興味を持ってくれそうなユーザー(=潜在層)はどういう人たちなのか?
・そもそも、そういったユーザーはどのような価値観を持っているのか?

アクセス解析ツールで得られた「行動データ」に、上記のような「意識データ」も加えた分析を行うことができれば、ターゲットや自社顧客をより深く知ることができますので、サイトの改善はもちろん、顧客のニーズに応えるサービス・商品の改善や開発にもつながるでしょう。

今回は、そのようなターゲット・自社顧客の「意識」を把握するための調査についてご説明します。

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まず、調査目的を明らかにし、取得するべきデータを考える

ターゲットや自社顧客に対する調査で得られるデータには、「定性データ」と「定量データ」の2種類があります。
・定性データ: テキスト・言葉等、数値化できない質的な情報
・定量データ: 集計・分析することが可能で、数値化できる情報

「定性データ」に関する調査では、対象者の生の声や行動に対する理由・心理を知ることができるため、「新しい気づきを発見したい」ときに役立ちます。つまり、対象者の行動の「深さ」を把握するのに適していると言えます。
一方、「定量データ」に関する調査では、人数や割合等の明確な数値を取得し比較することができるため、「マインドシェア・傾向等を定量的に把握したい」ときに役立ちます。つまり、対象者の行動の「広さ」を把握するのに適していると言えるでしょう。

まず、「どんなことを調べたいのか」という調査の目的を明確にし、そのためにはどういったデータを取得するべきかを検討したうえで、最適な調査手法を選択することが重要です。

次に、「定性データ」「定量データ」を取得する調査の手法について、具体的に紹介していきましょう。

ビジネス

「定性データ」を取得する調査手法

①デプスインタビュー調査
インタビュアーと調査対象者が1対1で行う、面談式の調査手法です。
「なぜ」という問いを調査対象者に繰り返し行うことによって、個人の奥深くに秘められた感情や本音・考え等の深層心理を引き出します。そのため、自社の商品・サービスに対する意見や態度等を、個人レベルでより深く掘り下げて聞きたいときに適しています。

②グループインタビュー調査
司会者が、複数の参加者(3名以上)にあるテーマを問いかけ、自由に発言をしてもらう調査手法です。
性別・年代・価値観等の特定の条件でセグメントしたグループ内のメンバーが相互に影響しあうことによって、デプスインタビュー調査よりも豊富なアイデアやさまざまな意見を引き出すことができます。そのため、商品・サービスの評価を知りたいときや新たに開発をしたいときに、グループレベルでどのような傾向やニーズがあるかを把握するのに適しています。

③ホームユーステスト
商品を生活の中で実際に利用してもらい、使用感等の評価を得る調査方法です。
自社の商品だけでなく、他社商品の評価を併せて把握することもできます。一定期間使ってみないと評価しづらい、化粧品や洗剤などの家庭用品でよく実施されます。

「定量データ」を取得する調査手法

①WEB調査
WEB上でアンケートを取る調査手法です。インターネット調査、ネットリサーチとも言います。
「モニター・パネル」とよばれる会員に対して、WEB上でアンケートを配信し、回答してもらう仕組みです。これは最もよく使われる手法で、下記のような長所があります。
・低コスト
・短期間で一斉配信可能
・特定のグループにセグメントした調査が可能
・動画・画像等を提示することが可能
・集計作業に時間がかからない

②店頭調査
実店舗に来店してくれたお客さまに対して、調査員が直接ヒアリング・アンケートを行う調査手法です。
たとえば、サイトで来店促進のキャンペーンを実施した際、同時期に「何を見て来店したのか」をお店でヒアリングすれば、キャンペーンが実際の来場に繋がったかどうかを検証することができます。このように、来店促進を目的としたWEBプロモーションの効果検証を実施したいときに適しています。

③郵送調査 
アンケート調査票を郵送する調査手法です。
商品を郵送する際にアンケート調査票を同梱し、商品の使用感・満足度等を把握したいときに適しています。ただし、アンケートのボリュームが多すぎると対象者が回答・返送してくれないという傾向が顕著なため、項目数等、内容のボリュームについて配慮することが重要です。

④電話調査
対象者に対して、電話で直接質問をする調査手法です。会話をすることができるため、調査対象者の理解度を確認しながら回答を得ることが可能です。
スマートフォンの普及・固定電話の衰退によって、調査員から電話をかけて調査を実施することは少なくなってきましたが、たとえばお客様から解約の電話があった際に解約の背景・理由をヒヤリングする等、いまでも有効な使い方はあると思われます。この場合、単に対応するだけではなく会話のやり取りが発生するため、コールセンターや調査員のスキルが必要です。

⑤サイト訪問者に対するアンケート調査
近年、サイトの訪問者に対してアンケートを実施する手法もよく取られます。
特定のコンテンツを閲覧した人、特定の商品を購入した人等、さまざまな条件でセグメントして、アンケートを実施することができます。そのため、コンテンツの印象や商品の購入要因を把握したい場合に適しています。
以上は、定量データを取得したいときによく使われる調査手法です。と同時に、自由回答形式で生の声を拾うことも可能なため、定性データを取得する手法にもなり得ます。ひとつの調査で得られるデータの種類と幅が広がりますので、質問項目や内容をよく吟味する等して、有効的に活用することをおすすめします。

このように、ターゲットや自社顧客の「意識」を把握し、深く知るための調査手法はたくさんあります。定性データと定量データの違いや特性を理解し、それぞれを取得する調査を使い分け、ときにはうまく併用することがポイントと言えるでしょう。

また、冒頭でもご説明しましたが、これらの調査・データを通じて得られた分析や発見と、アクセス解析ツールでの分析をクロスさせることで、ターゲットや自社顧客に対する理解もさらに深まります。結果としての「行動」だけでなく、その背後に隠された「意識」も考慮して、質の高いクリエイティブ・コミュニケーションを設計してみてはいかがでしょうか。そして、よりよいサイトやサービス・商品の改善、開発に繋げていただければと思います。

PROFILE

秋山 亮

株式会社電通西日本 

コミュニケーションプランニングセンター デジタルビジネス部 

デジタルマーケティングプランナー

2006年電通西日本入社。ソリューション業務推進部・マーケティング部として、企業・商品のブランディング・メディアプラン・効果検証等に関する業務を担当。2014年に電通本社ダイレクトマーケティングビジネス局(当時)出向、2015年に電通デジタル・ネットワークス出向以来、デジタル領域を起点とした業務を担当。 デジタル領域だけで物事を考えるのではなく、TV・新聞といったオフラインメディアとの連動や、様々な調査手法を活用した市場・ターゲット分析等、顧客視点に基づいたコミュニケーションプランニングを心掛ける。

■上級ウエブ解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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