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通販/ダイレクト

コンセプトづくりに情報の整備…化粧品は「難しい商材」!? 商品展開の検討ポイントとは?~黒字化以降の商品展開②

通販・ダイレクトマーケティングの基礎講座 〈vol.45〉

今回も前回に引き続き、商品展開(戦略)について情報提供していきます。通販市場は、社会情勢の急激な変化に大きな影響を受けている業界のひとつでしょう。重要かつ難易度が高い商品展開は、一方通行の文章では説明しにくいテーマですが、なるべくイメージしてもらいやすいように説明したいと思います。

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2.化粧品通販

これまでの記事は、多様化している通販業界の中でも購入者の顧客化=顧客リピートを最重要とするリピート通販を、そしてその代表的とも言える食品、化粧品、健康食品を想定してきました。この3種類の商材はそれぞれに特徴があります。今回説明する化粧品は、前回説明した食品の次に商品数を拡大しやすい=顧客の購入単価を上げやすい反面、商品数を増やす際にはコンセプトや発信する情報をしっかり整備しなければならない、難しい商材です。ターゲットや戦略によってさまざまなケースが存在しますので、自分たちの事業を照らし合わせながら合致する部分を参考にしてください。
それでは、よく見られるメリット/デメリットと注意点や対処法等を説明していきます。

一括りにしにくい「化粧品」商材の難しさ

化粧品と一言で言っても非常に多くの機能別商品が存在し、使用者のライフスタイルや好みも多様化しています。OEM先に開発を任せて、「勢いのあるアイテムを販売すれば売れるだろう」という安易な参入で失敗した事業社も多数存在すると聞いています。肌に関わる専門的な知識を、ターゲットのニーズに照らし合わせながら商品に落とし込むマーケティングをしなければならない、難易度が高い商材なのです。

今回は、主に基礎化粧品で説明していきます。さらに、現在の基礎化粧品の主流と言える「ライン」と「オールインワン」に区分して考えていきましょう。基礎化粧品とは、簡単に言うと「肌の機能を正常に保ち、健やかで美しい肌状態に整えるためのもの」といったところでしょうか。メイクのように表面的な見え方を整えるのでなく、肌本来の状態をよくするための、まさに基礎になる化粧品です。そして、肌を整えるための機能を細分化して複数の商品構成での使用をコンセプトにしている「ライン」に対し、「オールインワン」はひとつのアイテムに多くの機能を持たせた商品設計となっています。

ライン展開とオールインワンの特徴差

「事業社にとって」と「使用者にとって」の2軸で、簡単に特徴を対比させてみました。

事業社にとって

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使用者にとって

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もちろん高価なオールインワン化粧品もありますし、コンセプト設計しやすいライン化粧品もあるので、必ずしもすべての事業社のケースには適用できませんが、おおむねこのような傾向があるように思います。ここでお伝えしたいのは、「商品設計に合致したターゲティングが非常に重要である」ということです。しかし、新規顧客獲得のクリエーティブではターゲットを明確に絞りたがらない事業社は多く、絞っても年代くらいが多いように感じます。理由はさまざまあるでしょうが、ひと昔前は新規顧客獲得と言えばマス媒体が主であり、CPOは事業資金に対して影響が大きいので、できるだけ効率的に広くリーチしたいという意図があったのではないでしょうか。その反面、一度顧客化した後は事業社の特徴と顧客の持つイメージの親和性を強化するために、絞った濃度の高いコミュニケーションを取っています。しかし、現在は過当競争激化の流れにあるので、新規顧客獲得時からよりターゲットを絞ったクリエイティブの必要性が高まっているように感じます。

さて、少し前置きが長くなりましたが、そのような複雑な背景がある中、冒頭で説明した「化粧品」全体として捉え、オールインワンといえども機能を細分化してラインナップを増やせることを考えると、肌に対して色々な機能を商品で提案していけることは化粧品という商材の大きなメリットのひとつです。基礎化粧品の役割を簡単に述べると、汚れやメイクを取り除き、クリーンになった肌に水分や油分・栄養分を補いそれを肌に留める、といったところでしょうか。これを個別のアイテムに置き換えると、「クレンジング・洗顔料」「化粧水」「美容液」「クリーム」ですが、さらに美容成分を浸透させるためのブースターや、目尻や口元により潤いを与えるために追加する部分美容液等、ラインナップを拡充しやすいのです。顧客とのコミュニケーションを重ね、事業社のコンセプトや商品に対する理解を深めて関係性を強化し、商品に対する信頼と期待が高まれば、顧客が購入して使用するアイテム数は増えていきます。さらに、メイクや髪やボディ等の拡張範囲が広いことも利点と言えるでしょう。

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化粧品の商品開発でよく見られる注意点

商品展開する際にポイントになりやすい代表的な要素を踏まえながら説明しましたが、実際にはもっと検討に必要なポイントがあり、それらをターゲットの属性に重ね合わせた戦略を立てるのが正攻法です。膨大な要件の積み上げをしなければ問題が生じる原因になるので、戦略設計時にはある程度の労力と経験者のコーディネートが必要です。検討不足の事業社で見られがちなミスをいくつかあげてみましょう。

ミス① 場当たり的にラインナップを追加していく

化粧品を展開する利点は「購入単価を上げやすい」と説明しましたが、それは顧客が事業社と商品に対して信頼を深め、効果に期待を持ったうえでのことです。その部分を理解しないで別の機能の新商品を開発するのは、リスクが高いと言えます。肌に対するトータルコーディネートという考えもあるので、不足しているアイテムを追加していくことは必ずしも悪手ではありませんが、その目的を売り上げ拡大に設定するとギャップが生じます。

ミス② 商品に対して情報が不足している

「事業社に対する信頼=安心・安全」「商品に対する信頼=効果の期待感」の2点は、最重要といっても過言ではないと思います。これらは、顧客とのコミュニケーションによって形成されていきます。ですから、コミュニケーションツールを制作するときにイメージとリアリティの2要素のバランスが重要です。タレント・モデルの起用やイメージビジュアルも大切ですが、とくに基礎化粧品は「具体性=リアリティ」の訴求が継続購入に不可欠です。継続あるいは購入商品点数アップがうまくいかないときは、オファーだけでなく発信情報や、顧客がどのように捉えて理解しているかを分析しなければ効果的な打開策を考えることが難しくなります。また、情報の質と量が大きく不足している事業社も多く見受けられるように感じます。

ひと昔前の通販化粧品市場はかなりシンプルで、最低限の情報と通販のポイントを踏まえていれば成功しやすいという時代がありました。しかし、いまや大手企業も多く参入しているので、場当たり的な展開は失敗する可能性が高いでしょう。また、素材開発や製造技術も進歩し、使用者のニーズも多様化しているので、中長期的な戦略化は複雑で難易度は高いと言えます。この記事を読む方ができるだけミスリードなく参考にしてもらえるよう、ボトルネックになりそうなポイントを含めて記述していますので、少し回りくどく感じるかもしれませんが、参考にしていただける部分があれば幸いです。
次回も引き続き、「化粧品通販」のテーマを予定しています。

 

PROFILE

戸川 孝一

株式会社電通西日本 

ダイレクトビジネスプロデュース室

ビジネスディベロップメントディレクター

1999年、電通西日本に入社。 以来16年間、営業職として、オフラインを中心に、様々な業種のクライアント様の業務支援を担当。その後、内勤職への異動に伴い、ダイレクト領域とデジタル領域を担うプランナーに転身。現在に至る。 顧客データをベースとしたダイレクトクライアント様の『オンライン×オフラインを駆使した新規顧客獲得』から、『セグメントに基づく顧客育成』までワンストップで対応。 各クライアント様のレスポンス数字と向き合いながら、身を持って、数字の『楽しさ』と『怖さ』を実感する、一喜一憂の毎日。

■通販エキスパート1級

■上級WEB解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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