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コラム

ビッグデータの海の中でミクロの決死隊

~駆け出しデジタル・マーケッターの奮闘記⑤~

image1「キィー!悔しぃー!」image2

外出先から帰るや否や、突然叫び出すヤマちゃん。その様子に驚いてハマちゃんが尋ねる。
「どうしたの?ヤマちゃん。帰る早々叫び出してさ、何があったの?」
「ちょっと聞いてくれるっ。今日、営業さんと一緒に得意先に伺ったのだけどさ、そのときの得意先の言っていることがおかしかったのよっ」
「何?何?」
「あのさ、今日の議題で、データ分析をして、プロモーション活動がターゲットのニーズに沿うような施策となるよう、マーケティング戦略を策定しましょうという提案をしたのよ」
「うん。うん」
「そのマーケティング戦略を練るためにビッグデータを活用するという話をしたんだけどさ、突然そんなものは必要ないって言い出したのよ」
「えっ、得意先が?」
「そう。突然『そんなデータぎょうさん集めてどうしますのや』って。『うちら小さいとこから勝機探して商売してますんや』って。『たいそな会社さんみたいにできしまへんのや』って」
「そ、その人なんか勘違いしてるんじゃ……」image3_rv

「そうなのよ。そもそもビッグデータって、4つのグループに分類されるよね」

①国や政府のオープンデータ

政府や公共団体が保有している公共情報や官民情報

②企業のノウハウを構造化したデータ

企業のビジネスに関するノウハウをデジタル化・構造化した情報

③企業の産業データ

企業が保有している機器をネットワークでつなぎ、自動で機器間の情報交換を行うことで収集された情報

④個人のパーソナルデータ

個人の名前、行動履歴、身に着けた機器から収集された個人情報

「その中で③と④のデータを使ってマーケティング戦略を創造しようという提案だったの」
「ヤマちゃん。その得意先の人はビッグデータのことを、大きなデータって思っていたんじゃないかな。いわゆるマクロデータ」
「そうかも!たしかにマクロデータだったらマクロ解析しても自分たちの業務に直接役立てにくいから関係ないって思ってしまうかも!」image4

「ビッグデータだってミクロ解析したら十分業務改善に役立てられるのに」
マクロ解析はトップダウンで、ミクロ解析はボトムアップの考え方なんだよね」
「そう。マクロ解析は俯瞰の視点で全体を分析して、ミクロ解析は人や事柄を軸に分析していく手法なの。抽象と具体って言えるかもしれないわね」
「そうするとビッグデータをミクロの視点で活用する方法を示してあげれば得意先も理解してくれるんじゃないかなぁ」
「もうそのときは口あんぐり状態で何も反論することができなかったのよ。反省するわ」
「じゃあ具体的なビッグデータをミクロ的に活用して成功した事例を見せてあげようよ。それでヤマちゃんが提案したかったことがわかってもらえるよ。きっと」
「そうね。ありがとうハマちゃん」
「いやぁ~、へへへ。ボクも手伝うよ。これなんかどう?ボクは食いしん坊だから、この回転寿司屋さんの事例が気になったよ」

スシロー: ICタグを皿に付け、レーンの寿司の鮮度や購入状況を管理し売上向上

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スシローはすべての寿司皿にICタグをとりつけて、レーンに流れる寿司の鮮度や売上状況を管理。どの店で、いつどんな寿司がレーンに流れていつ食べられたのか、どのテーブルでいつどんな商品が注文されたのか等のデータを毎年10億件以上蓄積。需要を予測し、レーンに流すネタや量をコントロール。
スシローのケースのように需要を予測することは、ビッグデータの代表的な使い方のひとつ。機会の獲得や不要コストの削減につながるため、直接的に利益に跳ね返る。

「ふーん。わかりやすいわね。私はよくお料理するから、ガス企業の話なんかに興味があるわ」

大阪ガス:顧客の依頼内容から修理に必要な部品を割り出し、早期に修理完了

image6大阪ガスは、過去数百万件にわたる修理履歴や機器の型番データを保有。また、コールセンターに寄せられる給湯器などの修理依頼の内容も同時に蓄積。これらの情報を組み合わせることで、ケースごとに必要となる部品を自動的に割り出すことに成功。
このケースでは修理部品予測を実現するためにビッグデータが活用された。修理完了のスピードが速まり、お湯が使えなくなるなど暮らしへの影響が大きい給湯器の故障時にもお客さまのご不便をすばやく解消。お客さま満足の向上と業務効率化につながっている。

「なるほど、なるほど。それもわかりやすいね」
「でしょう?この具体例でお得意先はビッグデータの活用法をわかってくれるかしら?」image7

「ヤマちゃん。どうも先方はビッグデータに思い込みがあるみたいだから、今度営業さんと得意先に伺うときは、ミクロデータを分析した戦略の提案ってことにしたら?」
「なるほど!たしかに間違ってはいないわよねぇ」
「それで行こう!作戦名はミクロの決死隊だっ!」
「……何それ?」

PROFILE

廣瀬 亘

電通西日本

コミュニケーションプランニングセンター

ビジネスデベロップメントディレクター

1996年、鉄道系広告代理店より転職し電通西日本に入社。広島支社にて営業職を務め大手紳士服販売会社、大手移動体通信キャリアをアカウントプランナーとして担当。地域電通発足時に企画営業スタイルを創造する。 その後内勤職としてプロモーションとマーケティングを融合させたソリューション・セクションの立ち上げに従事。2011年大阪本社に異動後コミュニケーションプランニングセンターに所属し新規ビジネスの開発に携わる。近年は、数字では見えないクライアントとユーザーとの関係性。たとえば共感・愛着・信頼が生み出す価値を重視してプランニングすることを目指している。

■日本マーケティング協会 マーケティングマスター

■ウェブ解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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