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コラム

プロ棋士じゃないけど、将棋を仕事にしたい 前篇

元大学将棋部員が感じる、将棋界に存在する2つの誤解

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「好きなことで、生きていく」
Googleが運営するサービス、Youtubeの有名なコピーです。しかし…

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そんなことができたら苦労はしない、という声が多数のようですね。
ちなみに私は将棋が大好きなのですが、決してトップクラスの実力はありません。
将棋一本で生きていくことは、難しいでしょう。
しかし、将棋を仕事に「取り入れる」ことは可能だと思っています。

私はいま、広告会社で働いています。
ただ広告枠を売るだけではなく、クライアント様の商品やサービスが愛されるように、そして地域が活性化するように、コミュニケーションづくりをする仕事です。
その手段として、「将棋」というコンテンツを活用する。そうすることで、「好き」を仕事につなげることができるはずです。

そこでまずは皆さんに、一人でも多くの方に、私の好きな将棋について知っていただきたいのです。

私が仕事にしてみたい「将棋」について思うこと

あなたは「羽生」の2文字を見たとき、誰を思い浮かべるでしょうか。

氷上のプリンス、羽生(はにゅう)結弦選手を想像する人が多数派だと思います。格好いいですよね。しかし、将棋界のレジェンド、羽生(はぶ)善治九段がキリっと盤をにらむ姿を真っ先に思い浮かべる人もいるのです。

たとえば私。

大学では将棋部に所属し、和室で青春時代を過ごしました。
今でも休みの日は公園に出掛け、地域のお年寄りと青空将棋を楽しんでいます。

とはいえ大学生の頃は、日常で将棋の話をすることなど皆無でした。それに、将棋といえば地味で古くさいイメージを持たれていたと思います。まさかプロ棋士の対局の様子や、彼らの食べる昼食、おやつまでもが情報番組で取り上げられ注目されるようになるとは、予想だにしませんでした。

私自身も、将棋に関するいろいろな質問を受けるようになりました。
たくさんの方と将棋の話をする中で、誤解が広がっていると感じることが2つあります。私はこれまで、プロ棋士をはじめ、人生懸けてプロ棋士を目指してきた人たちとも相当数意見を交わしてきたつもりです。今回は、皆さんの将棋に関する誤解を解いて、より将棋界のリアルを知っていただきたいと思います。この記事を読み終わったら、今までとは違った視点でニュースを見ていただけるかもしれません。

誤解1「強い人って、何十手も先まで読むんでしょ?」

何十回も聞かれた質問です。
そもそも読みには分岐があり、一直線に先を読むばかりではないのです。
1つの局面で指せる手が80通りあるとして、そのうちのどれかを選んだとき、次の相手の手も80通り存在するわけです。すると3手先を読むだけで、80×80×80=512000通りの手順が存在するわけです。

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とはいえ、時間制限があります。限られた時間の中で、全ての手順を読むわけにはいきません。

将棋が強い人は、「読める手数が長い」だけではなく、むしろ「見える候補手の精度が高い」というのが私の所見です。
「直感によってパッと一目見て『これが一番いいだろう』とひらめいた手のほぼ7割は正しい選択をしている」と羽生九段は仰っています。A,B,C……と候補手を出したとき、彼の場合最初にひらめいたAが7割正解なのです。一方の私は、少し複雑な局面を前にした時、A,B,C,D,E,F,……と5手も6手も候補手が浮かんでしまいます。そして正しい手を見つける前に時間が無くなり、間違えるのです。出した候補のどれにも正解が無かったなんていうことも頻繁に起こります。
良くならない手がいくら浮かんでも意味はなく、正しい方向に深く読むことが大事なのです。

この「直感力」は、たしかに才能に依存するところもあるかと思います。プロになるには、努力と才能の両方がなければ厳しいと、あるプロ棋士が言っていました。しかし、それはあくまでプロレベルの話です。プロではない私たちも、努力次第で直観力を鍛えることは可能です。

まず、将棋の手にはある程度決まったパターン(手筋)が存在します。毎回何の手掛かりもなく候補を探っているわけではなく、「こういう駒の配置なら、こう指すと突破できる」などの「正解になりやすい手」が一定数存在するのです。こういった手筋の暗記で対応できる局面も少なくありません。

それでも、「今は攻め時か?守るべきか?どこを主戦場にすべきか?」など、大局観と呼ばれる方針設計などは、細かな暗記では対応しきれません。それは、強い人の棋譜(一局の記録)を見て盤に並べる「棋譜並べ」をすることで、だんだんと身についてくるものです。

そういった努力を十分にこなした先に、才能がどうこうといった世界があるのだと思います。私には努力の余地がたくさん残されているので、まだまだ強くなれるはずです。

誤解2「プロ棋士ってめっちゃ儲かるんでしょ?」

藤井聡太二冠の年間獲得賞金額などがメディアで取り上げられたことによるイメージのせいだと思います。
確かに、タイトル戦の賞金額は莫大で、現在賞金が最も高い竜王戦で優勝すると4,400万円を獲得できます。しかし、約170人のプロ棋士全員がとんでもなく高い収入を得ているかというと、決してそうではありません。それなら某バラエティー番組で有名な桐谷七段も、株主優待のために走り回ることはないでしょう。

プロ棋士は、対局するごとに対局料を得ることができます。順位戦を除く棋戦は予選があったり、トーナメント形式であったりするので、勝てば勝つほど対局数を増やすことができます。そのため、実力上位の棋士は高い収入を得られますが、多くの棋士は対局料だけで生活するのは大変だと耳にします。

将棋の魅力を広めたい!

タイトル戦の多くは新聞社一社が主催しています。新聞社も企業ですので、永遠に出資が続く保証はありません。
今でこそ藤井フィーバーが起きて盛り上がっていますが、これもいつまでも続くわけではありません。過去に羽生九段が七冠を総取りした際にも将棋ブームが起きたそうですが、しばらくすると落ち着いてしまいましたから。

だからこそ、将棋界が注目されている今、たくさんの方に将棋の魅力を知っていただきたいのです。

私には、将棋を指すことで直接人々を魅了するような能力はありません。
それでも将棋が好きだし、将棋の楽しさ、面白さ、素晴らしさを多くの人に知ってもらいたい!!

一人の広告人として、できることをやりたい。

というわけで。
「将棋のCMを全国に放送する」と決定したつもりで、新入社員がCMを一本考えてみたいと思います!!!!!

(社内のすごい先輩に教えてもらいながら……)

次回エリアシにご期待くださいませ!

PROFILE

エリアシ編集部

株式会社電通西日本

エリアシ編集部です。地域のマーケターのみなさんに必要として貰えるコンテンツを目指して、エリアシを運営中。お役立ち情報を発信していきたいと思います。

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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