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テクノロジー B to Bマーケティング

マーケティングオートメーションのリードスコアリングとは何か?

~「新時代を生き抜くBtoBマーケティング入門」~VOL.6

インバウンドマーケティングの流れをつかむ ~Close編~【後編】

前回の記事では、「Close(顧客化する):前編」として基本的な考え方をお話ししました。今回の後編では、リードにコンタクトを取って、closeしていく流れをご紹介します。その前に、リードのライフサイクルステージをもう一度見ておきましょう。

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営業は100枚の使えない名刺ではなく売れる名刺1枚を求めている?

前回の記事では、ステージの4段階目におけるリードをSAL(Sales Accepted Lead)と呼ぶことについてご説明しました。リードの興味や関心度合いが高まってきている状態であり、営業担当から見れば、マーケティング担当から説明を受けて、受け取る瞬間のリストです。しかし、リードが集まったからと言ってそれが理想的なリードであるという確証はありません。つまり、営業にリストを渡したのはいいものの、受け取った営業がSQLとしてフォローしてみたものの全くの的外れであれば、この施策は続かないでしょう。そうしたリスクを回避するために、「インサイドセールス」という手法をとる場合があります。

確度をあげるためのインサイドセールス

Inside_Sales

インサイドセールスとは、受注見込みの有無を非対面であるメールまたは電話という手段で確認をする作業のことを指します。別の言い方をすれば、確度の低いリストを営業に渡してしまうことを事前に防ぐ措置ともいえます。
インバウンドマーケティングにおけるインサイドセールスのポイントは、いきなりクロージングしないこと。電話で挨拶をして、いつもサイトを閲覧して頂いていることに対する御礼を伝え、他に困っていることはないかを確認します。この時、当然電話を掛ける側は、リードの動きをMAによって把握しているので、営業案内をしたくなるかもしれませんが、あくまで「インバウンド(押し付けない)」なスタンスを貫いてください。もし、リードから冷たい対応をされたとしても、リードの成長ステージの定義の見直しをすることによって改善すればいいのです。
なお、インサイドセールスの導入当初は、いきなり担当者または部署を作るのではなく営業担当がこの業務を兼務して対応するのが無難です。マーケティング部の作り出すMQLおよびSALが狙い通りのリストになってきていることをある程度確かめてから、改めて担当者の配置などについて検討しましょう。

ところで、顧客のランク分けともいうべき指標は昔からあります。BANT条件と言われ、案件の確度の目安を図るための指標です。一度、ここでBANT条件について確認しておきましょう。

BANT条件とは

Budget:予算(予算はいくらか?)
設問例:100万円~、200万円~、500万円以上、1000万円以上

Authority:決裁権(決定権を持ったキーマンか?)
設問例:役職なし、課長、部長、役員、代表取締役

Needs:必要性(または課題)
設問例:●●に関するコスト削減、●●に関する業務効率化、●●に関する社員教育、関心なし

Timeframe:導入時期(導入・購入する時期は具体的に決まっているのか?)
設問例:導入予定無し、検討中、1か月以内、3か月以内

マーケティング担当がBANT条件を使う時は注意が必要

このBANT条件という案件確度を確かめる指標は営業担当がヒアリングをする際によく使います。しかし、マーケティング担当がMAを使ったリードスコアリングで失敗する指標でもあるので注意しましょう。よくあるケースはオファーをダウンロードしてもらうフォームに、このBANT条件をてんこ盛りに設定したがるということです。展示会でのアンケートの作り方にも同様のケースがあります。もし、あなたが展示会に参加したとして、製品サービス情報を知りたいだけの状態でアンケートに正直に答えるでしょうか?おそらく、記入内容によっては、後日営業電話がかかってくると思い、とりあえず「現在は関心が無い」といった項目にチェックを入れるでしょう。要は、リードは正直に答えないのが当たり前なのです。
BANT条件は、営業担当がリードとの会話の中で直接引きだしていく情報です。もっと率直に言うと、営業が対面でなければ入手できない情報です。一方、マーケティング担当は、コンテンツ閲覧履歴や動画視聴状況、企業情報等の間接情報を効率よく入手し、分析することでリードの絞り込みを行っていきます。こうした、食い違いをなくすためにも、マーケティング部門と営業部門をつなぐパイプラインとも言えるバイヤージャーニーの設計を両者で共有し、共に作っていくことが重要です。

リードスコアリングとは何か?

さて、「リードの成長ステージの定義」という説明をしましたが、何を持ってMQL、SAL、SQLと定義していくのでしょうか。ここでMAのリードスコアリングという機能が活躍します。例えば、会社規模が1000人以上であれば5点、以下であれば1点。デモ動画の視聴を最後まで見てくれたら3点、途中で終わっていたら1点など点数付け(スコアリング)をしていくことを指します。

read_scoring

上記の場合、仮に70点以上の点数を満たした人には、MAで自動的にあらかじめ用意したテンプレートメールを送り、ステージを成長させていきます。ただし、このリードスコアリングには注意点があります。

リードスコアリングによる点数に惑わされすぎない

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MAのリードスコアリングはマーケティング担当がリードを見える化していくにはとても便利な機能といえるでしょう。しかし、落とし穴があります。それは、「高得点であるから購入意識が高まっている」とは確実に言い切れないということです。これは、マーケティングオートメーションツールを導入したBtoB企業がツールを導入して運用し始めてからよく陥りやすい典型例です。
例えば、いくつかの要件を満たして70点以上となったリードが成約に至らなくて、40点しか満たしてないリードが成約に至ることがあります。他のケースを考えてみましょう。動画コンテンツを2種類視聴完了してくれた場合に50点(1視聴完了当たり25点)、特定の記事コンテンツページを25ページ読んだ場合、50点(1ページ当たり2点)とします。ともに同じ50点です。この場合、どちらが成長ステージが進んでいると定義できるでしょうか。情報量のボリュームを考慮すると、後者ではないでしょうか。これがスコアだけで判断できないと言われるところです。MAによっては、こういう問題を解決するための仕組みとして、リスト、ワークフローと呼ばれる機能(別途違い記事で紹介します)もありますが、最後に成約する役目を果たすのはほとんど営業です。
マーケティング担当はMAを使い始めるとテクノロジーの便利さに酔い、論理とテクノロジーで解決しようとしがちです。しかし、実際の営業現場での購買動機やきっかけは営業担当が最もよく理解していますので、そういった意味でもバイヤージャーニーはマーケティング担当だけで決めず、営業と一緒に作って改善していきましょう。一発で完璧なリードスコアリングが作れると思ってはいけません。

売り込み過ぎずにアプローチするコツ

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最後に、Closeについて大切なポイント。それは、ホットな状態にあるSQL(またはOPP)のリードの心理状態を想像するということです。そのリードは、自社サイトを通して製品サービス、他社との比較情報、価格感など、様々な情報をすでに知っている状態。あなたが営業マンであれば、すぐに刈り取りのアプローチをしたいはずです。しかしインバウンドマーケティングにおけるポイントは、「売り込まないこと」。このタイミングでインバウンドな営業とは、「困ったことがありませんか?」とか「必要な資料はありませんか?」と、相手の困っている課題に対するサポートをするイメージです。
ちなみにこれを電話で対応するのではなく、まずはメールで対応することをおススメします。というのも、自社のコンテンツサイトとは、言い換えれば24時間働く営業マンのようなものです。リードリストは1000人、2000人と増加し続け、その中でもSQLレベルのリストが50人、100人と増えていきます。このタイミングでは、電話フォローをすることよりも、メールを一本送り、「問い合わせてくるのを待つ」というアプローチのほうが効率性が高くなります。また、いきなり電話でアプローチするよりも、メールの方がリード主導のコミュニケーションとなります。このセールスアプローチの進め方は、メールか、電話か、トライ&エラーをした上で最適な手法を選択しましょう。

前編・後編に分けてお届けしましたが、Close編のサマリーはここまでです。マーケティング担当と営業担当、共に同じ方向を向き、情報を共有して、効率的なCloseを目指してください。次回は、「Delight(満足してもらう)編」について、お話しします。

PROFILE

エリアシ編集部

株式会社電通西日本

エリアシ編集部です。地域のマーケターのみなさんに必要として貰えるコンテンツを目指して、エリアシを運営中。お役立ち情報を発信していきたいと思います。

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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