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コラム

初めまして!テレビ広告【後編】


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テレビ広告の仕組みがよく分からない。
ターゲットに向けて効果的にCMを流したいけれど、どうしたらいいんだろう?
そんなテレビ広告初心者のために、広告会社新入社員の筆者が一緒にテレビ広告をゼロから学んでいく「初めまして!テレビ広告」。

後編では、「CMを流したい!」と思ってから、実際にCMがテレビ画面に流れるまでを大まかに紹介したいと思います。

私自身これまで何気なく見ていたテレビですが、実はCMを流すには細かいルールがたくさんあるということを入社後に知りました。
そんなメディアビジネス部(主に、テレビ、新聞、ラジオなどのメディアに広告を出す業務を行う部署)の1年目である筆者が初めてテレビ広告出稿 ※a 作業をしたときを振り返りながら、CMがテレビで流れるまでの一連の流れを、会話形式で見ていきましょう!
皆さんも筆者の立場になったつもりでぜひ読んでみてください。

筆者
「株式会社〇〇のテレビCMを出稿することになったけど……。このCMの名前、『7月スポット』?スポットって何だ?」
メディアビジネス部先輩(以下:先輩)
「さっそく困ってるね。テレビCMには『タイム』と『スポット』の2種類があるんだよ。
タイム ※b というのは、個別の番組を提供し、その番組内のCM放送枠を使って流す広告のこと。『〇〇の提供でお送りしました』というクレジットを聞いたことあるよね?」
筆者
「あります!キャッチフレーズと一緒に提供が読まれているときもありますよね」
先輩
「そこに載っている企業は、その番組内でタイム広告を流してるってことだよ。
もう一つのスポット ※c はタイムとは違い、CMを流す期間は自由、流す時間帯はテレビ局さんが決めるんだ」
筆者
「テレビ局さんがランダムに放送枠を振り分けるってことですか?」
先輩
「完全にランダムというわけではなく、企業が出す広告費によって条件を設定できるんだ。これをゾーンというよ。ベースの全日(6~26時)に加えて、より在宅率が高い=視聴率が高い『ヨの字』『コの字』『逆L』『一の字』ゾーンがあり、ゾーンを限定すればするほどコストも高くなる仕組みになってるんだ」

各ゾーンの時間

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筆者
「今回出稿する『7月スポット』は、広告主さんからの希望で〈コの字希望〉って書かれています!」
先輩
「各テレビ局さんは、できるだけ広告主さんの希望に沿えるよう作案 ※d をしているんだよ」
筆者
「なるほど……。ところで、広告費と一緒に書かれているGRP ※e って何ですか?」
先輩
「GRPは、スポットの視聴率の合計のことだよ。広告主から『これくらいのGRPが欲しいです』という要望がある。GRPに合わせて、かかる広告費も変わってくるんだ」
筆者
「GRPが多く欲しい場合は、その分広告費が高くなるということですね」
先輩
「その通り。ここでパーコスト ※f も覚えておこう。視聴率1%分をとるのに必要な金額のことだよ」
筆者
「あれ?これ、地域で差が出そうですね。人口の多い都市圏の方が、視聴率1%あたりの人数が多くなりませんか?」
先輩
「そう。だから、人口が多い地域はパーコストが高くなってるんだ。
ところで、テレビ広告出稿でもう一つ重要な指標である、タイムランク ※g って分かる?」
筆者
「タイムのランク……。時間帯の順位ですか?」
先輩
「そのまんまだけどつまりはそうだね!(笑)簡単に言うと放送枠の料金のことで、一般的には、料金の高い順にA、S(特B)、B、Cの4種類に分けられてる」
筆者
「私が広告主だったら、CMは全部Aタイムに流してほしいです」
先輩
「(笑)どの広告主もそう思っているから、Aタイムに流せる本数は決まってるよ。Aタイム1本当たりの出稿に必要な金額のことをA単価 ※h って言うんだ」
筆者
「今回の『7月スポット』はX局さんに発注するので、広告費÷X局さんのA単価の計算をすると
……X局さんのAランクに3本スポットを流せますね!」
先輩
「そういうこと!じゃあさっそく、広告主さんの広告費と、希望GRP、そしてその他の要望などをX局に伝えて作案をお願いしよう」
筆者
「もし広告主さんがその案に満足しなかった場合はどうなるんですか……?」
先輩
「その場合は改案 ※i するよ。広告主さんのニーズと、局さんのCM枠の状況、この2つのバランスが大事なんだ」

【数日後】

筆者
「X局さんから作案が届きました!広告主さんにもOKいただいたので、これで問題なさそうです」
先輩
「じゃあここからは進行作業に入ろう。広告主さんから、オンエア希望のCM素材の指示をもらったら、テレビ局さんに『このスポット案件はこのCM素材を流してください』とお願いするんだ。一つの枠内でも、期間中に流すCMを切り替えたい、3種類のCMを流したい、などいろんな要望があるよ ※j」
筆者
「これでテレビ局さんからOKと言われたら、ついにCMが流れるわけですね!」
先輩
「ちなみに、新しいCM素材の場合は、まず最初にCM考査 ※k をしてから作案を始めるんだよ。各テレビ局が、そのCM素材を放送してよいかどうか審査して、それをクリアしないとそのCMは放送できない」
筆者
「信頼性を保つために、基準もしっかり設けられているんですね~」

基礎用語解説

a 出稿
テレビCMを出すこと。
b テレビタイム
CMを流す番組を指定することができる。企業名をアナウンスする場合、キャッチフレーズも一緒に読む場合、企業名を表示だけする場合で、それぞれCM の秒数や期間が変わる。
c テレビスポット
番組と番組の間(SB:ステーションブレーク)に挿入されるCM放送枠や、番組時間内にオンエアされるCM放送枠(PT:Participating Announcement)を使って流す広告のこと。
d 作案
放送枠と広告主の要望を調整し、CMの放送スケジュールを作成すること
e GRP
テレビCMの効果を測定する際に用いられる指標の一つ。期間中に出稿したスポット枠の視聴率を足し上げたもののこと。延べ視聴率とも言う。
f パーコスト
広告費÷GRPで求めることができる。
g タイムランク
広告効果・総視聴率を基にして、曜日・時間帯別に、タイム・スポットに共通して設定された料金のこと。
h A単価
テレビ局がそれぞれA単価を設定しており、パーコストと同様地域によって差がある。
i 改案
届いた案が、発注時の条件を満たしていない場合や、クライアントから変更の要望が出た場合に、案を変更すること。
j スポット素材指定の代表例
1. 単一素材:通常の指定方法。一つのスポット案件の全枠に、一種類のCM素材を指定すること。
2. テレコ:期間中のスポット枠に、2素材以上を順に繰り返すよう指定すること。例えばA素材とB素材の2本のテレコであれば、「A→B→A→B……」と放送される。
3. GRP配分:全体のGRPで比率を考えて指示すること。例えば「A素材:B素材:C素材=GRP比率20:30:50」となるように放送される。
4. 期間指定:複数の素材を期間ごとに指定すること。
k CM考査
放送するCMの内容が、民放連の放送倫理に反していないか、放送基準、法令、各局独自の基準を守っているかなどの観点から確認すること。
(民放連公式ホームページ「よりよい放送のために」:https://j-ba.or.jp/category/broadcasting

このような流れを経て、CMは各家庭のテレビに流れ、皆さんに届いているのです!
テレビCMを流すために、多くの人が、各広告主の要望に応えられるよう考えながら出稿作業を行っています。
今回、筆者と一緒にテレビ広告の基礎を学んできましたが、ここではお話できなかったCMの出し方がテレビにはまだまだあります。
今後テレビを見るとき、ぜひ番組と一緒にCMにも注目してみてください!

PROFILE

エリアシ編集部

株式会社電通西日本

エリアシ編集部です。地域のマーケターのみなさんに必要として貰えるコンテンツを目指して、エリアシを運営中。お役立ち情報を発信していきたいと思います。

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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