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化粧品はしっかりしたコンセプト立てを!難易度の高い健康食品はどうクリア? 商材ごとの戦略の注意点~黒字化以降の商品展開③

通販・ダイレクトマーケティングの基礎講座 〈vol.46〉

今回も商品展開と戦略をテーマに、前回の「2.化粧品通販」の続きから説明していきたいと思います。

2.化粧品通販

化粧品は、お客さまに対してブランドの信頼性とアイテムの機能性の説明をきちんと積み重ねていくことで、購入単価の向上やそれにつながる定期購入制度への加入を促進しやすい商材です。今回は、そのメリットや強みをメインに説明していきます。

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購入単価の向上につながる強みとは?

①季節性のデメリットとメリット

季節性は、化粧品の販売に大きく関わってきます。たとえば、暑い夏期は基礎化粧品の広告効果は低下し、定期購入サイクルも長くなるというようなデメリットの側面だけでなく、日焼け止めは売上を伸ばせるというメリットもあります。また、乾燥を意識する冬場等の時期は、より高い潤いケアをするオイル美容液等、プラスして提案できるアイテムが数多くあります。基礎化粧品のみで展開している事業社にとって夏期は憂鬱になる季節ですが、ある程度の商品ラインナップが揃えば、他のアイテムで補うことが可能となります。

②拡張範囲が広い

化粧品は機能の範囲が広く、「拡張しやすい=購入単価を上げやすい」ことが強みであると説明しました。基礎化粧品だけでも5機能くらいのアイテムは比較的容易にラインナップできますが、「メイク」「ヘアケア」等、コンセプトを崩すことなく別属性の機能領域に展開しやすいのです。とは言え、当然アイテム数を増やすことは在庫管理が大変になりますし、メイク等のいわゆる色物は流行に左右されるので細かな刷新が必要、というようなさまざまな負荷が生じるのも事実です。顧客数や事業社の体力(社員数、育成度、資金、協力会社等)と状況を照らし合わせながら拡充をしなければ、逆に負担増となるので注意してください。

③リピート性が高い

化粧品は、基本的に継続使用を前提としたアイテムが多い商材です。とくに基礎化粧品は、ある程度の期間は使用するモチベーションが高いので、事業社の多くは化粧品を選択する傾向が強いと感じます。定期購入制度は継続使用に直結する有効な施策であり、化粧品はこの仕組みと相性がよいのです。顧客との信頼関係を一定レベル以上にできれば定期購入制度に加入してもらいやすくなるので、事業社にとっても効率的な定期購入を軸とした顧客リピートの仕組みを構築できることは大きなメリットといえるでしょう。

④商品の良し悪しを実感してもらいやすい

使った瞬間、あるいは比較的早いタイミングで、香り、肌触り、潤い等、いくつかの要素を使用者の実感により評価判断してもらえるという意味です。以前に説明した食品と同様に、化粧品は「実感しやすい」商材なのです。ただし、「実感」のみで商品の評価を使用者に委ねるのは危険です。たとえば、「濃厚な潤い」というメリットは使用量が多ければ「ベタつく」と評価する方もいますし、「素早い浸透」は使用量が少なければ物足りないと感じてしまいます。年齢や肌質によって、同量でも感じる「潤い」には差が生じます。商品設計に込めた訴求ポイントを意図通りに評価してもらうためには、商品そのものだけでなく、事業社サイドから発信する情報を加えて商品のよさを方向づけする必要があります。

商品展開と戦略のテーマは、食品、化粧品、健康食品の3商材を具体例として説明していますが、その中でもコンセプトをしっかりと設定することで事業成長に伴った商品戦略を立てやすいのが化粧品商材ではないでしょうか。

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3.健康食品通販

難易度の高い健康食品の商品展開(戦略)のポイント

続きまして、いよいよ健康食品です。健康食品は、食品や化粧品に比べて難易度が高い商材です。通信販売市場は大手企業の参入も増加傾向にあり、熾烈な過当競争が繰り広げられています。そのような背景はどの商材も同様ですが、他の2種は使用したときにある程度評価・判断できるのに対し、ほとんどの健康食品はそれができません。健康食品の形状はソフトカプセル、糖衣粒等が多く、飲用しても味を感じず満腹感も得られないため、実際に使用(飲用)したときの実感・期待感がほぼないのです。また、健康食品という性質上、すぐに健康効果が発現するということもありません。これは、継続購入にとって大きなマイナス要素と言えるのです。では、何をもって継続購入につなげるのか。情報です。健康食品の継続購入にとって重要なのは、「初回飲用時の実感<情報」なのです。

        実感  情報
●食品    8 : 2
●化粧品   4 : 6
●健康食品  2 : 8

事業社の商品によって異なりますが、各商材ごとの「実感:情報」のウエイトはざっとこんな感じではないでしょうか。

少し化粧品の話に戻りますが、実感のウエイトがもう少し高くてもよいのでは?と感じる方がいるかもしれません。しかし、素材や技術の開発によって、化粧品の機能性の向上は目を見張るものがあります。逆に少しシビアな見方かもしれませんが、「そこそこよい」商品は多くあるものの「圧倒的な使用感」を覚える商品はごくごく少数派、というのが現状ではないでしょうか。

「初回飲用時の実感<情報」である健康食品は、日本で通販市場が急激に成長する前にも継続性の強い商材として展開されてきました。ネットワーク販売という販売手法のマーケットで、健康食品は主役だったのです。直接セールスすることによって非常に強い訴求力が生じるので、実感を得にくい健康食品という商材でも販売することができたのです。しかし、「直接話す」情報は、逸脱した効能効果のアピールに及ぶこともあったのではないでしょうか。いまは法律やガイドライン、取り締まり体制も整備されつつあるため、それらは健全化してきており、さらに健康に対する意識も向上傾向にあるので、実は健康食品という商材にとっては追い風なのです。このように、時代の流れと社会環境の変化によってプラス・マイナス要因は生じますが、現状を捉えても健康食品市場で事業成長していくための最重要要素のひとつは「発信情報とコミュニケーション」なのです。

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健康食品の商品戦略検討時の注意点

注意①種類の充実=購入単価UPにつながる?

健康食品には、さまざまな素材をベースとしたものが数多くあります。グルコサミン、ローヤルゼリー、DHA、ブルーベリー、等々。それぞれに健康に対する特徴的な効果がありますので、一見すると商品拡充による購入単価アップがしやすいと思うかもしれませんが、実際にはなかなか思う通りにはいきません。健康意識が非常に高い方は別ですが、健康食品を選ぶときは「自分に一番必要なものを」という選択をするパターンが多いからです。たとえば、顧客はAとBとCの悩みがあるからA+B+Cすべてを購入するのではなく、「A・B・Cの中で、自分に一番必要なのはどれか?」、つまりA or B or Cという考え方をするのです。

もちろん多くの種類を揃えておけば、必要と思うものが変わったときにそれにあった商品を提案できるという利点はあります。しかし健康食品の場合は、化粧品のような「機能性別の種類を拡充することで、購入点数を増やして購入単価アップをする」といったアップセルの考え方とはまったく別物だと認識しておいてください。

注意②差別化の難しさ

これも健康食品の難しさのひとつではないでしょうか。いまや健康食品を扱う事業社は非常に多く、多種のラインナップがあるので、購入者が欲しいものを探すことは容易にできます。同じ素材(成分)であれば、購入する側として比較するものはその含有量と価格になってしまうのも共感できます。しかし、事業社がこの2点で差別化を図ることは安売り合戦に参加することとなり、オリジナル商材による独自性と付加価値を高めるという戦略にはフィットしません。とはいえ、購入者が納得するような理由もないのに価格を高く設定しても、当然購入には結びつかないでしょう。化粧品のように複雑な処方を組み、使用感に差をつけにくいことも健康食品の難しさなのです。

次回も引き続き、「健康食品通販」における商品展開と戦略に関するテーマを予定しています。

PROFILE

戸川 孝一

株式会社電通西日本 

ダイレクトビジネスプロデュース室

ビジネスディベロップメントディレクター

1999年、電通西日本に入社。 以来16年間、営業職として、オフラインを中心に、様々な業種のクライアント様の業務支援を担当。その後、内勤職への異動に伴い、ダイレクト領域とデジタル領域を担うプランナーに転身。現在に至る。 顧客データをベースとしたダイレクトクライアント様の『オンライン×オフラインを駆使した新規顧客獲得』から、『セグメントに基づく顧客育成』までワンストップで対応。 各クライアント様のレスポンス数字と向き合いながら、身を持って、数字の『楽しさ』と『怖さ』を実感する、一喜一憂の毎日。

■通販エキスパート1級

■上級WEB解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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