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コラム

地域に新たな賑わいと体験価値を創出

―富山県美術館レストランプロジェクト―

富山まちづくり会社TOYAMATO(トヤマト)と電通、電通西日本、PR会社、プロデューサー、デザイナー、フードディレクターなどから成るクリエーティブチームによる新レストランが2021年春、富山県美術館内にオープン。いわゆるクリエーティブ領域(店名、ロゴデザイン、キャラクター開発)のみならず、メニュー開発や食器開発、食材ルート開発、店内装飾など、隅々にまでコンセプトを一貫させたことが、本プロジェクトの大きな特色です。ただ美味しいだけでなく、学びや遊びといった体験価値を提供する場として県内の親子やアートファンたちを惹きつけ、連日賑わいを見せています。

コンセプトは「アートとイート」

アートからインスパイアされてイート(食)が生み出されたり、イート(食)を通じてアートの学びがあったり。そんなアートとイートの融合する場を目指してコンセプトが開発されました。店名は、「ビビビとジュルリ」

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「アートで感性を”ビビビ”と刺激し、イートで食欲を”ジュルリ”と刺激する場」がネーミングの由来で、ロゴデザインやキャラクターも開発しました。

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メニューや食器・食材ルートの開発も

「アートとイート」というコンセプトを体現するべく、富山県美術館所蔵のアート作品にインスパイアされたメニューを開発。カンディンスキーの『コンポジション』から生まれた「コンポジションプレート」は、さまざまな食器を自分で並べ替えて構成(コンポジション)を楽しむメニュー。他にもひと手間加えることで楽しみが広がるメニューを開発し、アートの学びや遊び、SNSでの拡散などの体験価値を設計しました。

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主なメニューに使用される食器は、富山の職人やメーカーによるオリジナルのものを開発。一見陶器に見えるアルミ鋳物の食器やトチノキに黒漆を塗り込んだプレート、セメント製の多面的なプレートなど、デザインや触感で職人の技を感じたり、ものづくり県・富山を再発見できるような機会を創出したいと考えました。
また、富山の食材をふんだんに使うべく富山の全15市町村の生産者ネットワークを構築。料理を楽しみながら富山のさまざまな食材について学べるタブロイド判のメニュー表も制作。小さな傷や少々形の悪い(でも味に問題のない)規格外野菜を積極的に取り入れ、仕入れ状況に合わせてメニュー内容をアレンジするなど、サステナブルを意識した取り組みも行っています。

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賑わい持続のための話題づくりも

美術館に常設展と企画展があるように、ビビビとジュルリでも常設メニューのほかに「企画メニュー」を開発。美術館の企画展とリンクする形で期間限定の企画メニューをプロデュースし、話題化やリピーター獲得に成功しています。今後も、キャラクターグッズの開発やアーティストが富山に滞在して制作したアート作品の展示など、さらなる賑わいと体験価値の創出を企画しています。

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広告で培ったクリエーティブ力をさまざまな領域へ

このレストラン事業はいわゆる飲食のプロだけでなく、広告領域のクリエーターがコアメンバーに入っていることが大きな特徴です。市場調査やインサイト調査などは行いつつも、データ分析だけでは導き出せない大きなビジョン(未来構想/ありたき姿)をクリエーティブの力で描き、その実現に向けて体験価値を細かく設計していく、というやり方で推進しました。当初、飲食のプロの方々に戸惑いも見られましたが、強いコンセプトを開発しそれを隅々まで一貫させていく、という考えが浸透したことで、地域に新たな賑わいを創出する場が実現しました。

PROFILE

小林 幹

クリエーティブディレクター/コピーライター

言葉を軸としたコンセプト開発、企画立案、コピーライティングが得意。広告領域のほか、富山まちづくりプロジェクト(TOYAMATO)では事業コンセプト開発やレストランの開発、会員制バーの開発などさまざまな事業創造に携わる。

TCC新人賞、TCC賞ファイナリスト、ACC賞地域ファイナリスト、HCC賞グランプリ、D&AD Yellow Pencil/Graphite Pencil、New York ADC Bronze、One Show Merit、CRESTA Silver、ADSTARS Silverなど

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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