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対面しないお客さまと友好な関係をつくるには?~通販の「クリエーティブ」における重要ポイント~

通販・ダイレクトマーケティングの基礎講座 〈vol.13〉
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通販事業における「クリエーティブ」とは?

通信販売は、基本的には直接お客さまと接することがない事業形態です。お客さまへの情報発信や注文の受け付け、質問やクレームの応対等は、対面ではなくさまざまな「媒体」を通じて行うのが一般的です。
ここでいう「媒体」とは、マスメディアはもちろん、電話やEメール、インターネットコンテンツやダイレクトメール等を指します。

これらの媒体にのせて発信する情報をまとめた広告素材を、「クリエーティブ」といいます。たとえば、「新聞全5段のクリエーティブ制作をしよう」とか「テレビ120秒のインフォマーシャルのクリエーティブを改善しよう」というような会話は日常的に行われます。新規顧客獲得やリピート等の販売促進はもちろん、CRMといったお客さまとのよい関係性を構築するうえでも、クリエーティブは非常に重要なのです。

流通を通じた店舗販売では、店舗スタッフがお客さまと直接対面し、さまざまな会話がインタラクティブに行われますが、通信販売では「媒体にのせたクリエーティブを通じて、お客さまとのコミュニケーションを行う」ようなイメージです。媒体の中では、電話やインターネットでのチャット、メールのやり取りは対面に近い双方向性があるので、状況と応対者のスキルに応じて臨機応変に対応することが可能ですが、それ以外のテレビや新聞、雑誌、DM等はそのような応対柔軟性がないため、情報発信の段階できちんと「クリエーティブ」をつくりこんでおくことがより重要と言えます。

テレマーケティングやネットマーケティングでは、お客さまとの対話を想定し、その流れをフロー化したスクリプトやFAQ等が、役割としてはクリエーティブに該当するかもしれません。今回は、新規顧客獲得を目的としたマス媒体のクリエーティブと、既存顧客を対象としたDM等のクリエーティブについて説明していきます。

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クリエーティブ制作体制は社内で? 外注で?

通信販売事業は、性質の異なる機能が組み合わさり、連動しながら展開をしていきます。主要な部分だと、新規顧客獲得、リピート(CRM含む)、商品開発が大きな柱と言え、それぞれも細分化することができます。それらをすべて、通販事業社の自社スタッフで対応することができるかというと、かなり難しいと言わざるをえません。

なぜなら、それぞれの機能によって必要な人材やスキルが異なるので、すべて社内対応しようとすると人材調達はもちろん、マネジメントや人材育成等に非常に大きなコストと手間がかかるからです。比較的売上規模の大きな通販企業でも、すべて社内対応するのではなく、社内と社外の連携を効率化して事業を展開しているケースが多いようです。

では、クリエーティブ制作についてはどうでしょうか。私が知る限りでは、「すべて」社内で対応している企業は少ないようです。しかし、外注ですべてを対応しているかというと、これもそうではないと感じます。クリエーティブの骨子や方向性といった重要ポイントを社内スタッフで行い、専門性の高い部分を外注で行うといった連携体制が多いように思います。

そして、「通販のクリエーティブ」とひとくくりにするのも危険です。マス媒体用の新規顧客獲得目的のクリエーティブと、リピート促進等を目的とした対既存顧客のクリエーティブでは、制作工程や必要な制作スキルが大きく異なるため、外部の制作会社を活用する場合も案件に応じた経験や熟練度を確認しなければなりません。

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レスポンス目的のクリエーティブで大事なこと

いまやテレビや新聞などのマス媒体では、いわゆる通販広告(レスポンス広告)を非常に多く目にするようになりました。通販市場の拡大に比例して、ここ20年くらいで急激に増加してきています。
通販企業の広告には、直接的なアクションを目的とした通販広告(レスポンス広告)と、レスポンス目的ではない広告(企業広告等)がありますが、ここではレスポンス広告について説明していきます。

レスポンス広告とは、言葉の通り「レスポンスを獲得することを主目的とした広告」です。企業名の認知やイメージ醸成、店舗で商品を目にした際に想起されることを目的とした広告とは、目的だけでなく広告の構成もかなり異なります。そして、「広告効果を測定できる・しなければならない」ということが最大の特徴です。すなわち、レスポンス広告は「レスポンスを得ること」を目的とし、CPRやCPO等の指標で評価されるのです。

ですので、「企業イメージがよく表現できている」とか「すごくセンスがよいコピー」というような担当者の感覚的な部分よりも、商品特徴のわかりやすさや差別化ポイント、ベネフィットをどれだけ伝えられるかという側面の方が重要視される傾向にあります。「論理的>情緒的」と言い換えてもよいかもしれません。

もちろん、100%そうであると断言はできません。イメージ訴求を全面に出して成功した(=レスポンスが目標達成した)広告もないことはないのですが、実に限られたケースだと思います。
まずは安定して新規顧客獲得を行うために、レギュラー的に使うクリエーティブをつくらなければならない場面ではセオリーに準じ、その土台を作った後に独自の表現を模索する場面では、あえてセオリーから外れた広告にチャレンジする。このように、事業の状況や目的によってクリエーティブの方向性を検討し具体化しておくことで、実績評価がしやすくなり、検証結果をその後の展開に活かしやすくなるのです。

参考記事:レスポンス広告の極意 第2回:レスポンス広告の役割①

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外部の制作会社を頼りに「しすぎる」のは注意!

クリエーティブの制作は、外部の制作会社の選定が重要であることは前述した通りですが、この「頼りになる制作会社」も注意ポイントといえます。つまり、頼りにしすぎるのは要注意なのです。
通販事業はとてもシステマチックなのですが、実態としては経験が個人に蓄積される属人的要素も強いのが特徴です。なので、頼りになるからといって、制作会社にいわゆる「丸投げ」をしていると、本来事業社内のスタッフに蓄積させていくべきノウハウや経験がまったく増えず、人件費のかかる自社社員の存在価値が高まらないというリスクがあるのです。

短期的に見れば、外部業者に任せることでスピーディーに物事が進むのですが、長期的視点で捉えた場合、自社内のスタッフにスキルが蓄積しないということは大きな問題です。コピーワークやビジュアル作成・選定、全体のデザイン構成等といった専門性の高い部分は外部スタッフに任せる領域ですが、外部スタッフが制作したクリエーティブが企画の狙いや方向性、商品特徴や差別化ポイント等をきちんと理解したうえでつくられているか、自社内のスタッフがその外部スタッフの意図を理解し納得できるか、ということが重要なのです。

これらをきちんと議論して、共通認識として具体化しておかなければ、広告出稿の成否はギャンブル要素が強くなってしまいます。とくに、通販企業の方々は多忙なので、どうしても頼りになる外部スタッフがいると頼りにしすぎてしまう傾向があります。しかし、冒頭に申し上げたように、通販企業におけるクリエーティブはお客さまと対話する「言葉」そのものです。お客さまと出会い、よい関係をつくっていくうえで、コミュニケーションスキルを身につけることが重要なのはあえて言うまでもないことですが、直接対面することなくクリエーティブを介してそれを行うには、しっかりとした考察と知識、スキルの熟練が必要だと思います。

PROFILE

戸川 孝一

株式会社電通西日本 

コミュニケーションプランニングセンター

ビジネスディベロップメントディレクター

1999年、電通西日本に入社。 以来16年間、営業職として、オフラインを中心に、様々な業種のクライアント様の業務支援を担当。その後、内勤職への異動に伴い、ダイレクト領域とデジタル領域を担うプランナーに転身。現在に至る。 顧客データをベースとしたダイレクトクライアント様の『オンライン×オフラインを駆使した新規顧客獲得』から、『セグメントに基づく顧客育成』までワンストップで対応。 各クライアント様のレスポンス数字と向き合いながら、身を持って、数字の『楽しさ』と『怖さ』を実感する、一喜一憂の毎日。

■通販エキスパート1級

■WEB解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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