エリアシ

通販/ダイレクト

新規顧客を獲得せよ! 失敗しない「出稿」の心得~売上拡大のための媒体施策ファーストステップ~

通販・ダイレクトマーケティングの基礎講座 〈vol.14〉

image01

通販事業における「出稿」とは?

通販事業の準備を整えて事業をスタートしたら、多くの企業が、最初に実施するプロモーションが「出稿」です。
出稿とは、簡単に言うと『媒体(メディア)にメッセージ(広告)をのせて発信すること』です。実際の現場では、「新聞媒体に出稿する」「テレビ媒体の出稿実績を分析する」というような、使われ方をします。

最初に実施する「出稿」がプロモーションだというのは、通販事業を新規で立ち上げた場合、最初の顧客数はゼロですので、リピート施策よりも先に、顧客獲得を行うことになるからです。通販事業の販促の柱は大きく2本、新規顧客獲得(アクイジション)とリピート促進(リテンション)であることは、これまでに述べてきた通りですが、出稿はこのひとつ、「新規顧客獲得」のための手段となります。つまり、出稿は新規顧客獲得という重要な販促活動の主な方法であり、『出稿=新規顧客獲得』と言ってもよいかと思います。

image02

「出稿」と「媒体」を構成するもの

このように、出稿とは広告を媒体(メディア)にのせて発信することですが、その発信する内容をまとめたものが、前回の記事で説明した「クリエーティブ」になります。

https://www.dentsu-west-j.co.jp/areashi/対面しないお客さまと友好な関係をつくるには

つまり、販促活動としての出稿は、媒体とクリエーティブによって構成されると言えます。そして、出稿を検討する際の媒体も、いくつかの要素で構成されています。それでは、媒体の構成要素を分解してみましょう。

まず、媒体の種類には、デジタル、新聞、ラジオ、テレビ、折込みチラシ、雑誌等があり、それぞれに通販企業にとっての特徴(強い部分・弱い部分)があります。さらに、それぞれの媒体には『ビークル』と呼ばれるものが存在します。ビークルとは直訳すると「乗り物」のことですが、通販事業の現場では、新聞媒体であれば●●新聞や▲▲新聞、テレビであれば120秒短尺や29分長尺等がこの「ビークル」にあたります。

さらに、出稿を検討する場合には、それぞれのビークルを、さらに細分化して考えます。新聞であればエリア区分(東京版や大阪版等)、掲載面(社会面やテレビ面等)、広告のサイズ(全5段、全3段等)やカラー(モノクロ、4色)等にあたります。テレビだと、放送エリア(全国ネットや各都道府県)や系列局、放送時間帯、番組、クリエーティブの長さ等です。これらの出稿媒体に組み合わせるクリエーティブは、商品、訴求ポイント、デザイン、キャッチコピー、ビジュアル、オファー等で構成されています。
媒体とクリエーティブを組み合わせることで、出稿計画をつくり、それが出稿の土台となるのです。

このように選択肢が多くあるので、慣れるまでは手間のように感じるかもしれませんが、逆に考えると、出稿というプロモーションの構造を細分化し、実施前の仮説立てと、実施後の検証を、客観的・多角的に捉えられることが通販事業の強みとも言えます。

image03

失敗しない出稿計画とは?

各通販企業に対しての重要課題のアンケート結果を目にすることがありますが、重要課題の第1位は「新規顧客獲得」、すなわち「出稿」と回答する企業が非常に多いことに気がつきます。オリジナル商材を扱い、自社顧客の蓄積と、リピート性を重視した事業モデルの通販企業では、よりこの傾向が強いのではないでしょうか。

企業にとって、利益を生み出すのはリピート促進の部分なのですが、重要度としては【新規顧客獲得>リピート促進】となってしまうのです。これはなぜなのでしょうか。理由は、企業の置かれている状況によってさまざまあるでしょうが、そのうちのひとつは、新規顧客獲得には投資リスクがあるからだと思います。

経験のない企業やスタッフが通販事業を立ち上げて、最初に違和感を覚えるのが、流通販売の現場では考えにくい「新規顧客を獲得した時点では赤字」という事実だと思います。もちろん、いまでは通販市場も拡大し、さまざまな商材やビジネスモデルがあるので、すべての通販事業で共通とは言えないでしょう。しかし、とくに化粧品や健康食品等のオリジナル商材を扱い、自社顧客化=顧客との関係性を強化していくことを、重点に置いたビジネスモデルの「通販」では、当たり前といってもよいこの実状は、頭では理解できていても、慣れるまでになかなか時間がかかるケースが多いようです。高い投資リスクのため「最初は損をするけれど、後々に売上として戻ってくる」通販モデルは、捉え方によると信じがたいと感じるのかもしれません。

そして、新規顧客獲得業務にはノウハウと手間がかかるということも、もうひとつの理由ではないでしょうか。
当然、リピート促進・CRMも大変なのですが、毎月の出稿計画を立て、それをもとに出稿や受注の調整を行い、クリエーティブを作成し、実績を検証し、そのデータを次月・次々月の計画に反映(修正)する、といった一連の業務は、リピート販促よりも負荷が高くなる場合が多いように感じます。

これらは一見、ルーチン化できそうにも思えるのですが、実は知識と経験の積み重ねが必要ですし、配置する人材も、ある程度適性を考えなければなりません。この部分を見誤ってルーチン的に作業化させたため、新規顧客獲得がうまく回らず、いつまでたっても事業の収益が安定化しない企業も実際に存在しています。
また、適性があり経験とノウハウを蓄積したスタッフが辞めたために、事業が大きく後退したという企業もあります。前述したように、新規顧客獲得は投資リスクが高いため、状況が一度悪化すると、事業に大きな悪影響を与えることにもつながりやすいのです。

さらに、出稿計画は、事業計画で決めた目標CPOを達成するために、媒体とクリエーティブをどのように組み合わせるかを考えて作成しますが、商品や訴求方法、のせる媒体によって新規顧客獲得後のLTVにも影響が出る場合があるので、リピート販促とも連動させて考えなければなりません。通販は、数値的側面で、極論するとCPOとLTVの連結なので、このどちらかに偏るのではなく両方をよいバランスで展開していくことがポイントなのです。

image04

出稿の今後と必要なこと

ひと昔前は通販のシステムや受注・出荷等の外部委託企業も少なく、デリバリー等のインフラも十分ではありませんでしたが、出稿も、いまとは比べ物にならないくらい少ない時代がありました。いまではデジタル、新聞、テレビ等、さまざまな媒体で通販企業の広告があふれていますが、その当時は通販広告を目にすることが、今日よりも格段に少ないという状況でした。

もちろん、その時代は通販の仕組みも、一般にはあまり理解されておらず、そのような状況の中で媒体を活用して通販事業を立ち上げた企業には先見の明があったため、先駆者としてのメリットを得られたのだと思います。そして、通販市場が拡大すると共に参入企業も増え、流通を主体として販売していたメーカーや販売会社のみならず、現在では企業ではない一般の個人すらも通販の販売側として参入ができるようになりました。

このような大きな流れに伴い、さまざまな媒体で通販広告が増加していったので、広告全体の中でも通販広告の占める割合が増えてきているようです。しかし、そのような競争も激しい状況になったからこそ、新規顧客の獲得は通販企業にとってますます必要不可欠であり、これをストップすると確実に事業は衰退していくことでしょう。投資リスクを低くしながら顧客獲得効果や数を最適化するためには、よりいっそう緻密な出稿計画を検討する必要があります。そして、計画→実施→検証→修正→再実施のサイクルをさらにきめ細かく行っていかなければなりません。

今後、新規顧客獲得の販促はさらに厳しくなっていくと思われます。事業の成長スピードや規模に照らし合わせて効果的な計画をつくり、適宜運用していくことは難易度が高いですが、避けては通れない道でもありますので、外部の協力者の力やノウハウを借りる等の方法により、あなたの会社ならではの勝ちパターンをぜひ見つけてください。

 

PROFILE

戸川 孝一

株式会社電通西日本 

コミュニケーションプランニングセンター

ビジネスディベロップメントディレクター

1999年、電通西日本に入社。 以来16年間、営業職として、オフラインを中心に、様々な業種のクライアント様の業務支援を担当。その後、内勤職への異動に伴い、ダイレクト領域とデジタル領域を担うプランナーに転身。現在に至る。 顧客データをベースとしたダイレクトクライアント様の『オンライン×オフラインを駆使した新規顧客獲得』から、『セグメントに基づく顧客育成』までワンストップで対応。 各クライアント様のレスポンス数字と向き合いながら、身を持って、数字の『楽しさ』と『怖さ』を実感する、一喜一憂の毎日。

■通販エキスパート1級

■WEB解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

[ 関連記事 ]

入門書 通信販売事業の成功に向けて ダウンロードはこちらから エリアシ編集部のクチコミ

月刊

電通西日本のメールマガジン
セミナー情報や広告トレンドを配信!!メールサンプル

INTERVIEW

記事内容や電通西日本の事業内容にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ