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テクノロジー B to Bマーケティング

潜在顧客の獲得はもちろん、情報発信・共有も簡単便利に

玉田工業にみるマーケティングオートメーションツールの導入事例

地下タンクのシェアが約7割で全国トップ

兼六園や金沢城、茶屋街、武家屋敷跡など“加賀百万石”のイメージが今も色濃く残り、観光客にも人気の石川県金沢市には、ニッチな分野で全国トップシェアを誇る企業が数多く存在しています。
その一つが1950年創業の玉田工業で、ガソリンスタンドなどに埋設される貯蔵用地下タンクにおいて、日本で約7割のシェアを獲得しています。さらに、地下タンクで培った技術を活用し、防火水槽、貯水機能付きの給水管、完全防水耐震設計の地下室なども商品化。常に新たな一手を繰り出し、ビジネスチャンスを広げています。

image1金沢市にある玉田工業本社 https://www.tamada.co.jp/

そんな玉田工業が2017年に新たな試みとしてマーケティングオートメーション(MA)ツール『Hub Spot』を導入しました。これはウェブ上で提供する有益なコンテンツを足がかりに、潜在的な顧客の興味や関心を高め、自動的にメール配信するなど適切なタイミングでより詳細な情報を提供するなどして、効率よく顧客化を進めるツールです。
近年、BtoB企業から注目を集めるMAツールをどのように活用しているのか。同社管理本部経営企画課の勝見広志さんにお話を聞きました。

「興味をもって聞いてもらえる」と営業から喜びの声

まずは玉田工業におけるHub Spotの利用状況を紹介しましょう。
MAの第一歩となるのはサイトを訪問する潜在顧客に有益なコンテンツを提供すること、そしてメルアドなど潜在顧客の情報を得ることです。同社の場合は、有益なコンテンツとして、各事業についてより詳細な情報を分かりやすく説明するプロモーション動画を用意。訪問者が会社名や氏名、メルアド、郵便番号といったプロフィール情報を入力すると、ダウンロードに必要な情報を記載したサンキューメールが自動送信されるようになっています。
動画を閲覧した訪問者がさらに詳しく話を聞きたい、あるいは具体的な商談をしたい場合は、サンキューページにリンクしたお問い合わせページから申し込みが可能です。メール送信後、2日間たっても申し込みがない訪問者にはさりげなくアクションを促すような内容のメールを自動送信、さらに2日間たっても申し込みがなければもう一度メールを自動送信するようにしています。

image2Hub Spotのワークフロー画面

こうした取り組みの結果、動画を閲覧した約10%の人から問い合わせや商談の申し込みがあるそうです。残る約90%の人についてはプロフィール情報を営業スタッフに提供し、それとなくアプローチしてもらうようにしています。MAツールによって、潜在顧客のアクセス状況や閲覧コンテンツ、メール開封の有無といった情報も把握できますので、アプローチする際も相手が関心を持っている製品についてピンポイントで情報提供することが可能です。
「メールの自動送信と見込み客がコンタクトしてきた履歴を確認できる機能が気に入っています。弊社の営業スタッフからは、闇雲な飛び込み営業ではろくに話も聞いてもらえませんが、MAツールで得た情報をもとに営業すると興味をもって聞いていただけるので助かっていると、うれしい言葉をかけてもらっています。実際に商談が進んでいるケースもありますよ」(勝見さん)。
MAツールではマーケティング活動で必要となるさまざまな作業が自動化されているので、手間をかけて取り組む必要がないのも特徴で、玉田工業では勝見さんが一人で、しかも本業のすき間の時間を使って効率的に運用しています。

6カ月間の導入サポートが大きな支えに

着実に成果を上げている玉田工業ですが、MAツールの導入をどのように進めてきたのでしょうか。ここからは今日までの取り組みを振り返ってみましょう。
導入のきっかけとなったのは、電通西日本からの提案でした。潜在的な見込み客を営業せずに獲得するというコンセプトに興味をひかれ、1カ月間無料で使える試用版で機能の大枠を確認した後、玉田善明社長が「1年間トライしてみよう」と導入を決定。月額96,000円(プロフェッショナルプランの場合)というリーズナブルな価格も決め手の一つとなりました。そして「君にすべて任せるから、責任をもって活用してみてほしい」と指名を受けたのが勝見さんでした。

image3玉田工業管理本部経営企画課の勝見広志さん

とはいえ、勝見さんの専門分野は財務・法務・経理であり、マーケティング専任ではなく、片手間に始めることになりました。そんな勝見さんにとって大きな助けとなったのが、6カ月の間、Hub Spotの専属担当者と定期的にウェブ会議を行うことができるという導入サポートでした。
「こちらがやりたいことに対して、この機能を使うと実現できますよといった感じでアドバイスをくれたり、道案内をしてくれるのがウェブ会議です。これにはすごく助けられました。ウェブ会議ではこちらの質問に対し、画面を共有しながら回答してくれるので、とても分かりやすかったですし、あらかじめ疑問点をPowerPointなどにまとめてメールしておくとウェブ会議やメールで丁寧に教えてくれるんです。おかげで契約から1カ月後には複数のランディングページの運用を開始できました。専属担当者はメールでの質問にもその都度答えてくれるので、その後も仕組みの改善や機能の追加をタイムリーに行うことができました。サポート終了後も、別途Hub Spot内に問い合わせ機能を使って質問すると答えてくれますから、新たな知識やノウハウの習得につながっています」(勝見さん)。
その後は各種プロモーション動画を一堂に集めたページ(https://info.tamada.co.jp/lp)も作成し、トップページに誘導用のバナーを配置。これによって、さらに閲覧者が増えたそうです。

image04トップページ(左)とランディングページ(右)

技能継承に向け、動画コンテンツをストック

さらに、契約から2カ月後にはHTMLの知識がなくてもブログを生成できるHub Spotの機能を活用して、玉田工業が開発している学童軟式野球用のピッチングマシン『T.K.BOY』専用のブログを立ち上げ、情報発信をスタートしました。Hub Spotの専属担当者からは検索エンジンにできたばかりのブログの存在をアピールする方法やSEO対策についてもアドバイスを受け、その結果、今では「ピッチングマシン」「学童」あるいは「学童野球」「アーム式」でAND検索すると、Googleの検索結果でパソコン・スマホともに1番目に表示されるようになっています(2018/3/27時点)。

image6学童軟式野球用ピッチングマシン『T.K.BOY』https://blog.tamada.co.jp/

このほか、「これはHub Spot本来の使い方ではないかもしれませんが」と前置きして勝見さんが紹介してくれたのが、技能の継承を目的とした活用法です。地下タンクの製造やメンテナンスにおいては長年の経験に培われた職人技が必要とされる工程もあり、マニュアルだけでは十分に伝えきれないノウハウもあります。こうしたベテランの技能を若手に伝えていこうと、作業者目線のウェアラブルカメラと手持ちカメラの2台を駆使して2つのアングルで作業の様子を撮影。これらを編集した動画をHub Spotを使って作成したコンテンツサイトに蓄積。社員はパスワードを入力すればパソコンやスマホで閲覧できるようになっているので、これを手本にイメージトレーニングを重ね、作業のコツをつかんでいくというわけです。

潜在顧客の獲得はもちろん、自社製品のスピーディーな情報発信や社内での情報共有など、Hub Spotを多様な用途で活用する勝見さんは「使い勝手がよく、自分がやりたいことがすぐできるので、これからも活用していきたいと思っています」と話してくれました。MAツールの導入で成果を上げるには、勝見さんの能動的に取り組む姿勢が大いに参考になりそうです。

PROFILE

住谷 徳人

株式会社電通西日本 

コミュニケーションプランニングセンター 

プランニング部 兼 デジタルビジネス部 兼 メディアビジネス部 

デジタルマーケティングプランナー

2010年某通信会社にて、営業・企画・バックヤードに関する業務に従事。2015年電通西日本に入社。 入社から3年間、デジタルマーケティングプランナーとして、BtoB企業(給湯、半導体、地下タンク、駐車場、繊維、鉄鋼、電子・電気)を中心に、幅広い業種のデジタルコミュニケーション領域を担当。マーケティングオートメーション領域を中心に、デジタルコンテンツやシステムを活用したデータ統合的なマーケティングを実践。最近では、マスメディア×デジタルのコミュニケーションへと領域を拡大し、更なるコミュニケーション領域の拡大へ邁進。

■上級WEB解析士

■.comMaster

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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