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通販/ダイレクト

通販初心者必見、通販事業のメリットとは?

通販・ダイレクトマーケティングの基礎講座 〈vol.6〉

そもそも通販事業参入にメリットはあるのか?

まず最初に結論的な事を述べると、メリットをつくる事はできます。そして参入しない事による機会損失が大きいとも言えます。もちろん扱う商材や企業のビジネス環境等により、一概には言い切れませんが、現状を踏まえて今後を推察した場合、企業にとって通販という手法の確立は重要性が高いと考えられるからです。

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通販=通信販売とはネット、ハガキ、電話などの通信手段を用いて注文を受け、商品を販売する手法の事でITと配送インフラの急激な充実が追い風となり伸び続けている領域です。公益社団法人 日本通信販売協会(JADMA)が発表しているデータによると、ここ10年間の平均成長率は6.6%/年。最新の2016年度の売上額は約6兆9400億円となっています。しかもこれは、JADMA会員社及び非会員社合計約745社の物販を主とした推計値との事なので、実際には、これよりもさらに大きな規模であると考えられています。そして従来の流通による店舗販売の動向を並べてみた場合、通販市場の伸びが消費全体を底上げしているというよりも、購入チャネルが店舗販売から通販にシフトしている、というように見る事もできます。

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出典:JADMA

あふれる広告と成長を続ける市場。このような背景をみると、とても魅力的に感じますが、事業を軌道に乗せる事は簡単ではありません。現在は多くの企業が参入しており、過当競争状態になっている事や、通販の戦略や手法が多様化してきている為、自社の商品やサービスの強みが発揮できる媒体・ターゲット・方法をきちんと考える必要性が高まってきています。
この部分をおろそかにしたまま事業をスタートすると、通販のメリットを享受出来ないばかりか、労力と費用の支出ばかりがかさんで事業が成長しない、というマイナスのスパイラルに陥ります。実際にきちんと事前の戦略を検討せず、「通販市場が伸びているから!!」と安易に立ち上げた為、当初の期待値に大きく及ばず、どうしたらよいかわからなくなっている企業も少なくありません。
通販事業に参入する際には、通販事業の構造・仕組みを理解し、自社の強み弱みを分析した戦略を検討し、数値目標を達成するために掲げた計画を具体化する。実はなかなか出来ていない、当たり前の事をきちんとする事が成功の最低条件となります。

事業を開始する前に

通販市場の成長は、ITの恩恵を大きく受けていますが、それゆえにこれまでシンプルだった通販戦略が、複雑化してきました。以前は、扱う商品によって「総合通販」と「単品通販」に大別され、それに応じた戦略が考えられていましたが、現在はそれだけでは不足といえます。

「総合通販」とは、様々な種類の商品を数多く扱う通販で、「カタログ通販」とも言われ、売上の商品構成は、広く分布します。「単品通販」は比較的少数の商品を扱い、売上の多くがごく一部の商品で構成され、「専門通販」とも言われます。一昔前の単品通販企業では、売上が100億円以上という規模でも、1商品が売上の90%以上を占めている、という事も珍しくありませんでした。その特性上、総合通販は、数多くの商品開発とお客様に送るカタログの制作が重要視され、単品通販は、同じ商品を継続して購入してもらう為の顧客管理が重要視される傾向にありました。

しかし今では、総合通販でも顧客管理・分析を強化し、単品通販でも様々な商品の充実・拡張をする傾向にあります。
ですので、戦略を考える際には、総合通販か単品通販かで考えるよりも、「通販事業で得るメリット」「扱う商品・サービスの属性(強み)」「販促方法(新規顧客獲得とリピート)」の3視点で考えると、現状に合った大まかな方向性が検討しやすいです。

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「通販事業で得るメリット」

通販事業のメリットは数多くありますが、大きく2点あげるとすれば、自社顧客化(顧客リスト蓄積+顧客価値向上)と販路拡大(集客)ではないでしょうか。自社顧客化とは、文字通り自社で顧客データを集め、その顧客に対して直接、販促やコミュニケーションを行い、企業と顧客の関係を密接なものにしていく事です。販路拡大は、媒体を活用して、店舗周辺エリアに限らず、日本全国、あるいは国外にでも商品情報を発信して集客し、商品を販売出来るという事です。もちろん両方を得る事も出来ますが、商品の属性によっては、どちらかに重点を置いた方が良い場合があるのです。

「商品・サービスの属性(強み)」

販売する商品にどのような強み(他社競争力・差別化)があるかを整理します。物販の場合、商品は大きく一般流通商品とオリジナル商品に区分して考えます。一般流通商品は、メーカーや卸業者から仕入れ多くのお店で売られている商品、オリジナル商品は、自社で開発(OEM含む)し、限られた販路で展開する独自性の高い商品をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。多くのお店で販売されている流通商品の場合、通販における差別化は大きく2点、価格と利便性です。簡単に言うと、「より安く」「より便利に」この2点を強調した展開がポイントとなります。但し、他社とは価格の安い高いで比較されやすい、利益を削る価格競争になりやすいのが注意点です。一方、オリジナル商品は、類似した商品に比べ、独自の訴求ポイントがあるのが強みですが、その優位性を購買喚起に結びつけて伝える部分に難しさがあります。きちんと伝われば、価格競争をすることなく、比較的高い粗利を得る事ができますが、その商品が類似商品に比べて優れている事を伝えて、納得してもらい続けなければ、継続購入してもらえないのが注意点です。

「販売方法(新規顧客獲得とリピート)」

販売する商品と通販で得たいメリットを整理したら、それに合う販売方法を考えます。ここで相性の悪い選択をすると、リスクが大きくなります。特に最近の通販事情をみると、大手ショッピングモールの成長は話題に欠かないので、安易に「大手モールに出品すれば売れるだろう」と考えるのは早計です。自社顧客獲得戦略の場合は、コストはかかりますが自社へ集客(新規顧客獲得)し、その獲得した顧客に対して継続的にリピート販促を行います。販路拡大(薄利多売)の場合は、集客は大手ショッピングモール等に頼り、販売のみに注力した方が良い場合が多いようです。一番良いのは、集客力のある大手の力を借りて新規顧客獲得を行い、その顧客データに対して様々な販促が行えれば言う事がないのですが、集客力のあるショッピングモールや百貨店のカタログに掲載する販売方法では、顧客データを自由に活用できないというのが一般的です。

通販事業における販促面の2本柱は、新規顧客獲得(アクイジション)とリピート促進(リテンション)ですが、それらをスタートさせる前に、しっかりと自社の強み・弱み(商品、サービス等)、販促方法、目標等を整理して戦略を形作っておく事で、通販市場の成長の流れに自社事業をうまく乗せる事が出来るのです。

PROFILE

戸川 孝一

株式会社電通西日本 

コミュニケーションプランニングセンター ビジネス開発部 

ビジネスディベロップメントディレクター

1999年、電通西日本に入社。 以来16年間、営業職として、オフラインを中心に、様々な業種のクライアント様の業務支援を担当。その後、内勤職への異動に伴い、ダイレクト領域とデジタル領域を担うプランナーに転身。現在に至る。 顧客データをベースとしたダイレクトクライアント様の『オンライン×オフラインを駆使した新規顧客獲得』から、『セグメントに基づく顧客育成』までワンストップで対応。 各クライアント様のレスポンス数字と向き合いながら、身を持って、数字の『楽しさ』と『怖さ』を実感する、一喜一憂の毎日。

■通販エキスパート1級

■WEB解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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