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レスポンス広告の極意 第8回 集客② “集客”のきっかけとなる14のポイント その1

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〝集客〟のきっかけとなる14のポイント

芸能の世界、漫才などのお笑いの場合、ステージに上がった直後の最初のアプローチ(つかみ)がとても重要で、それが上手く行った場合のことを「つかみはOK!」というようです。そして「つかみはOK!」なら、それだけでステージは8割方が成功。逆に最初に滑ってしまい、聴衆をシラケさせてしまうと、その後の回復はかなり困難であるようです。

レスポンス広告において通行人の足を止めさせるということも、実はこれとまったく同じで、ターゲットが広告に接触した最初の瞬間(時間にして0.1秒ぐらいの間)に広告がターゲットに与える印象こそがレスポンス広告における〝つかみ〟といえます。そしてこの時に通行人の心をつかむことができなければ、もはやその時点でゲームは終了。通行人はそのまま通り過ぎ去ってしまうのです。

0.1秒というのは、視聴覚情報が神経伝導路を経て大脳で知覚されるのにかかる最小限の時間の目安を比喩として使っていますが、実際に足を止めるかどうかの判断に費やされる時間も0.1秒~1.0秒くらいと考えられ、その間に通行人が通り過ぎてしまわなければ、それは通行人の足が止まった証拠──〝集客成功〟──と評価してよいでしょう。

いずれにせよ持ち時間はほとんどないので、最初の一撃でターゲットにレレバンシーを感じさせ「価値のある情報!」しかも「自分に関係がある情報!」だということに気づかせなければなりません。

しかし、「価値があり、自分に関係のある情報」であることを伝えるとなると「つかみ」部分でも、イメージだけではなく、ある程度具体的な意味のある情報を伝えなければなりません。となると強いのはビジュアルよりもやはりコピー、ターゲットの心を鷲掴みにする、ストレートで力強い「つかみはOK!」のキャッチコピーが求められます。 

それでは、実際にそのようなキャッチコピーの良し悪しについて、サンプルを見ながら説明していきましょう。

集客のポイント①掴みはOK!の強いキャッチ

広告サンプル01:英文キャッチの“集客力”は和文キャッチの場合の半分以下

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広告サンプル01から06の広告はいずれもダイレクト自動車保険の広告で、これらの自動車保険の売りは合理的な保険料=「同じ保証で安い保険料、あるいは同じ保険料で厚い保証」です。そして、これらの広告の目的は、見積もりを請求してもらい、契約中の保険料と比べてもらうことで、そうすることにより自社の保険へのブランドスイッチを狙っています。

広告サンプル01の広告は外資系損害保険会社の広告です。伝統的な日本の損保会社ではなく、合理的性を重んじる国の新しくスマートな損保会社だということを強調するために、あえて英文のキャッチコピー「You are paying too much for your car insurance !」を採用しているようです。面白いアプローチですが、結論からいうと失敗作です。確かにこの程度の英文であれば誰にでも理解できるはずで、多分事前に「ターゲット層の何割が辞書なしでこのコピーの意味を理解できるか?」程度の調査もしているはずです。しかし、問題は「和訳が可能かどうか」ではなく「和訳をするかどうか」の方なのです。そしてただの通行人に過ぎないターゲットは、広告のコピーの和訳など、普通はしないのです。そしてその前提で考えるとターゲットにとって、このキャッチコピーは意味を伴った〝文字データ〟ではなく、結果的に意味のない〝画像〟となってしまっており、広告主が意図したメッセージはまったく伝わっていないのです。

広告サンプル02:積極的不満層がほとんどいない場合、これでは“集客”できない

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広告サンプル02のキャッチコピーの「今の自動車保険への不満を解消します」は、加入中の保険に不満を持っている人には刺さるメッセージといえます。しかし、ほとんどの自動車保険既加入者=ターゲット層は、毎年保険料を支払うだけで、事故に遭ったごく一部の層を除き、実際のサービスを経験していないので、そもそも満足も不満足も感じていないのです。従って「不満を解消!」といわれても、ターゲットには、何のことかまったくピンと来ない、きわめてレレバンシーが低いメッセージということになります。

広告サンプル03:安さだけで保険を選ぶ層は少ないので、これでは“集客”できない

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広告サンプル03のキャッチコピーの「あった!28,000円の自動車保険」は、「自動車保険は低関与型商品なので、入り口としては価格訴求しかない!」と割り切った広告と言えます。しかし、ターゲット視点で考えれば、保険はもしもの時のための大切な備えです。だからただ安さを強調されても魅力的に感じないばかりか、むしろ不安を掻き立てることになっている可能性すらあります。つまり同じ補償内容で安くなるという意味と、なぜ安くできるのかという根拠を同時に提示しなければ、ターゲットが「保険料の安さ」に魅力を感じることはないはずです。

広告サンプル04:ターゲットは楽屋落ち的な話題にはついてこられないので、これでは“集客”できない

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広告サンプル04の広告は、保険料の安さとその根拠の両方を提示した広告といえます。自動車保険には無事故を続けると毎年等級が上がり、その分安い保険料が適用されるという仕組みがあります。一般的には16~20等級で頭打ちとなり、それ以降は安くなりませんが、この会社では「日本初25等級まで設定!」とうたっているので、無事故の優良ドライバーにとっては魅力的な情報となるはずです。

ところが、残念なことにほとんどのターゲットは等級と、それにより保険料が安くなる仕組みについて正確には理解しておらず、そもそも自分の等級自体を憶えていません。 したがって、この広告を見ただけで、ターゲット層にとって有利な情報、かつ画期的で魅力的な新サービスと理解できたのは、この会社の関係者だけ。実際には〝楽屋落ち〟であった可能性が高いキャッチコピーと考えられます。

広告サンプル05:「ゴールド免許=事故リスク小」だから安くなると理解され“集客”につながる

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広告サンプル06:「走行距離が短い=事故リスク小」だから安くなると理解され“集客”につながる

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広告サンプル05と06の広告は、いずれも保険料が安くなることを強調していますが、広告サンプル05では「ゴールド免許だと事故リスクが少ないから」、広告サンプル06では「走行距離が短いと事故リスクが少ないから」と安くなる根拠を併せて提示しています。免許証の色や年間の走行距離であれば、誰もが容易に思い出せるので、すぐに「自分のための自動車保険!」とピンとくるメッセージといえます。つまり、前の4つに比べると、広告サンプル05と06のキャッチコピーは、ターゲットに対するレレバンシーがずっと高く、ただの通行人の足を止められる可能性の高い広告といえます。

ところで、前回のサプリメントの広告、今回の自動車保険の広告、本稿における説明用広告サンプルが全て新聞・モノクロ・全5段広告になっている理由について簡単に触れておきます。レスポンス広告は、メディアを選ばないので、実際には、あらゆるメディアのあらゆるスペースに掲載される可能性があります。そして広告表現とは、与えられたメディアの種別だけでなくスペースの違いなど、様々なメディア・フォーマットに合せて考えられるものなので、特に常に成果の最大化を狙うレスポンス広告においては、結果的に膨大なバリエーションが生まれることになり、それらはとても紹介しきれないばかりか、読者に混乱を生み、むしろその理解を妨げるはずです。そして、本稿の目的も、レスポンス広告の実際のバリエーションや、表現の可能性を紹介することではなく「どうしたらより多くの注文やレスポンスを獲得できるのか」という方法論を明らかにすることの方にあります。

そこで本稿では、広告サンプルがメディアやスペースの比較になってしまう可能性を排除するために、基本的に同一のメディア・フォーマットの広告サンプルを用意し、純粋にアイデアや考え方だけを比較して頂く方法を採用しました。また、統一フォーマットに〝新聞・モノクロ・全5段広告〟を選んだのは、比較的表現の自由度が制限されたメディアたからで、〝新聞・モノクロ・全5段広告〟をベースにすれば、同じアイデアや考え方を他のさまざまなメディアやスペースで応用したり展開したりすることができますが、他のメディアでは難しいからです。たとえばインターネットを説明用の広告サンプルに用いたとすると、インターネットでしかできないことや、インターネット抜きにはできないことだらけになってしまい、結果的にアイデアとか方法論の比較説明の役は果たせなくなってしまうからです。 

したがって以降についても一部を除き、基本的に〝新聞・モノクロ・全5段広告〟のサンプルを用いて説明していきますが、新聞広告のサンプルではなく〝考え方のサンプル〟とご理解いただいた上で読み進めてください。

集客のポイント②お金をあげる

広告サンプル07:競合他社の車を検討していた層や来年の購入を検討していた層まで“集客”できる

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広告サンプル08:顕在層だけでなく潜在層まで“集客”できる

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広告サンプル01から06で説明した安くなる広告の次は、お金がもらえる広告サンプルの07と08です。実際にはいずれも購入支援金で、使途は広告主の自動車やマンションの購入資金に限定されるのですが、金額が50万円とか200万円とかと大きいので、購入検討段階にあるターゲットには特に刺さるメッセージで、競合会社の自動車やマンションの購入を検討中の層や購入寸前だった層までもが、購入支援金がもらえるなら検討対象を変えてもよいと思ってレスポンスしてきます。また、購入は頭金が貯まる、あるいは車検が切れる〝来年以降〟と考えていた層も、購入支援金がもらえるなら予定を1年繰り上げても良いと思って、レスポンスしてきます。

つまり、放っておけば競合他社の自動車やマンションを購入していたはずの層── 他社の見込み客──や、まだ顕在化していない見込み客層── 将来の見込み客──まで掘り起こして〝集客〟することができる可能性のある広告といえます。 

集客のポイント③0円と無料

広告サンプル09:”0円”や“¥0” “無料”はビジュアル的にインパクトがあるので、それだけで“集客”につながる強いキャッチになる

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広告サンプル10:何が無料なのかを具体的に提示することで、さらに“集客”パワーが増加する

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広告サンプル09や10のようにキャッチコピーに入れ込まれた「0円」や「無料」が、レスポンスを獲得する上で強いマジックワードの一つだということは、ダイレクトマーケティングの世界では大昔からの常識です。同じことがインターネットでも追認されていますが、特に「0円」はデザイン映えするので、レスポンス広告以外でもよく採用さます。しかし、レスポンス広告の場合、足を止めさせたその先を〝具体的な行動〟へと導かなければならないので、行動につながらないデザインのためだけの0円であれば、別案を検討すべきです。

たとえば、某ハンバーガーチェーンの「スマイル0円」はブランド広告のキャッチコピーとしては秀逸であり、ブランドに対する態度変容を促しているといえますが、直接的な行動、例えば「今日のお昼はそのブランドにしよう!」とはつながりせん。しかし「100円あったらそのブランドに行こう!」のような使い方であれば、その先には具体的な100円メニューがあるので、行動促進・販売促進につながっている広告ということになります。

次回は、引き続き「“集客”のきっかけになる14のポイント」の【集客のポイント④~⑨】までについてご説明します。

PROFILE

後藤 一喜(ゴトウ カズヨシ)

広告主、メディア、通販業、広告代理店等、さまざまな立場での実務経験と幅広い業種を担務した経験を持つ。㈱カタログハウス在職中は、商品開発や制作だけでなく、多様な通販実務を担当。その後、㈱電通ワンダーマン【現 電通ダイレクトソリューションズ】(企画推進部/クリエーティブ部・部長/執行役員)、㈱ユビキタス・コア(メディアマーケティング部長)、㈱電通イーマーケティングワン【現 電通デジタル】(ディレクター室・室長/クリエーティブ室・シニアマネージャー)を経て独立。現在は㈱B2B2Cにて、レスポンス周りのアドバイザーとして活躍中。

■ウェブサイトhttp://b2b2c.co.jp/

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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