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レスポンス広告の極意 第10回 集客④ “集客”のきっかけとなる14のポイント その3


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前回は、「“集客”のきっかけになる14のポイント」の中から④プレゼント、⑤良さそうに見えること、⑥ブランドに頼らない、⑦ターゲットを限定する、⑧正しいターゲットを捕まえているかについてご説明しましたが、今回も引き続き“集客のポイント”の中の⑨から⑭までについてご説明します。

【集客のポイント⑨】ターゲットの問題意識に適合しているか?

広告サンプル01:“コンドロイチン”と“グルコサミン”という有効成分を柱に“集客”を図る

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広告サンプル02:加齢により“軟骨成分がすり減っている”という課題認識を柱に“集客”を図る

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広告サンプル03:歩く楽しさというウォンツ。情緒的なアプローチにより”集客”を図る

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広告サンプル01から03は、加齢によりすり減ってしまった膝関節の軟骨成分を補うサプリメントの広告です。広告サンプル01では、サプリメント自体に含まれている有効成分をキャッチコピーにストレートに配したアプローチです。ターゲットはすでに自分の症状を理解していて、その解決にコンドロイチンとグルコサミンが有効だということを知っている層です。

広告サンプル02の広告は、キャッチ部分で症状を改善させることを呼びかけています。ターゲットは、自分の症状を自覚していますが“コンドロイチン”と“グルコサミン”は知らない可能性がある層です。

広告サンプル03の広告は、症状の改善というニーズではなく、孫との散歩という歩くことの楽しさ・・・ターゲットのウォンツに訴えかけた広告です。歳だからもう仕方がないと諦めかけているターゲット層に対しては、課題や解決方法といった合理的なアプローチよりも、このような〝情緒的なアプローチ〟の方がなじむ可能性があります。

【集客のポイント⑩】ターゲットによって響く言葉が違う

広告サンプル04:“金利”を柱に“集客”する

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広告サンプル05:“利便性” を柱に“集客”する

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広告サンプル06:“金利”そのものに抵抗のある層を“集客”する

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広告サンプル04から06は、消費者金融の広告です。広告サンプル04では、金利そのものを訴求した広告で、金利は利用の際にユーザーが必ず確認する最重要ポイントなので、当然のアプローチと言えます。しかし住宅ローンのように千万単位のお金を数10年もの長期にわたって借りる場合とは異なり、比較的少額を短期間、かつ簡単な審査ですぐに貸し出すという消費者金融の場合、金利差による返済額の差は、実際にはほんのわずかです。

したがって広告サンプル05のように、金利よりもむしろ目的や用途に合った利便性「昼までに申し込めばその日のうちに即入金!」などを訴求したアプローチの方が、ターゲットの心に響き、レスポンスに良い影響を及ぼす可能性があります。

また、これまで消費者金融を利用したことのない層は、金利が高い安いではなく、金利そのものに抵抗を感じている可能性があるので、広告サンプル06のように「最初の30日間の金利が0円」 といったアプローチの方が心に響くかもしれません。

【集客のポイント⑪】ターゲットの恐怖心に訴えかける

広告サンプル07:のこされた配偶者の生活破綻の可能性を訴える

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広告サンプル08:癌になった場合に家族が被る多大な負担について訴える

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これまで説明してきたように、レスポンス広告における〝集客〟のポイントとは、おおむねターゲットの心の中で眠っている欲望に火をつけるということです。しかし、世の中的にまだ一般化していないためにターゲット自身が知らない事柄については、ターゲットの心の中に欲望そのものがないため、成果は期待できません。

広告サンプル07は、老後の生活資金問題を解決するための資産運用に関する広告で、広告サンプル08は、癌治療に関する医療費問題に対応する保険の広告です。長寿リスクや疾病リスクが、世の中的にまだ十分に認識されていない社会において生活者は、それらのサービスに対する欲望を持ってはいないので、広告による単純な刺激では火がつきません。しかし、だからと言ってレスポンス広告の中で資産運用や保険の必要性に関する〝啓発〟まで同時に行うという正攻法では、あまりにも遠回りで効率が悪いので、広告サンプル07や08のように、欲望とは逆の恐怖・・・「配偶者の生活破綻──」や「家族に莫大な医療費負担をかけること!」への恐怖に訴えかける〝恐怖訴求型のアプローチ〟の方が心に響きやすく有効です。いずれも〝好感度広告〟には選ばれそうにありませんが、欲望刺激型や啓発型の広告よりは高いレスポンスが期待できるはずです。

【集客のポイント⑫】単品かラインナップか

広告サンプル09:ラインナップ広告は必然的に総花的になるので“集客”の決め手を欠く

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広告サンプル10:単品訴求は迷いが生じないので、結果的に“集客”に結びつきやすい

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広告サンプル09は製品のラインナップを紹介した広告。広告サンプル10はそのうちの一つの製品にフォーカスした広告です。広告主側には、自社の充実した製品ラインナップを誇りたいとか、同時に複数の製品を掲載することで、一つの広告で複数のターゲットを捉えたいとか、更には一つの広告で同じターゲットにクロスセル(※)をしかけたいとかといった要求があり、広告サンプル09は、それらすべての要求を満たす「一石三鳥」の広告と言えます。 しかし、一見合理的に見えるこの種の広告は、レスポンス広告としては失格!というのが私の結論です。もちろん、ブランド広告─レスポンスを期待しない、知らせるためだけの広告 ─としてなら文句は無いのですが、レスポンス広告─行動させる広告─として考えると「三兎を追った広告」は、誰に何を訴求したいのかが伝わらない、誰の心にも響かない広告ということになります。

また、もしそうでなかったとしても、製品ラインナップの中から自分にふさわしい製品を見つけ出してくれる生活者、あるいはさらにそれを2つ3つと発見し、合わせ買いをしてくれる生活者の人数よりは、情報が多すぎるために何を買ってよいのかがわからなくなり、購買を先送りにしてしまう生活者の方が、はるかに多いからです。

逆に本当にクロスセル化までを目指したいなら、遠回りに思えるかも知れませんが、まずは広告サンプル10のようなアプローチにより、一旦顧客化させ、クロスセル化はその先の〝別施策〟として取り組んだ方が確実で、しかもこの場合は、クロスセル施策としての成果と、顧客維持施策としての成果の両方が期待できるので、こちらこそ真の〝一石二鳥の施策〟と言えるはずです。

※クロスセル[cross-sell]
最初に購入した商品だけでなく、関連する別の商品やサービスを推奨し、併せて販売すること。

【集客のポイント⑬】目的を複数持たせない・複雑化させない

広告サンプル11: “製品”と“スターターキット”の二兎を追っている 

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広告サンプル12:”スターターキット”販売だけに割り切っている

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広告サンプル13: “製品”の販売だけに割り切っている

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広告サンプル11から13の広告は同じ化粧品の通販広告です。 広告サンプル11の広告は1,000円のスターターキットの販売と、総額2万円近い製品の販売の〝二兎を追った広告〟で、広告サンプル12の方は1,000円のスターターキットの販売だけに割り切った広告。広告サンプル13は逆にスターターキットの販売をせずに製品の販売だけに徹した広告です。

集客のポイントで述べたように、レスポンス広告における最悪のシナリオとは、ターゲットを迷わせることによりレスポンスを失う(ターゲットを思考停止の課題先送り状態におちいらせる)ことです。広告サンプル11はその典型例で、一見すると、一石二鳥の合理的(生活者視点からしても選択肢が用意された有利な広告)に見えますが、セオリーとしては、広告サンプル12や、13のような選択肢のない広告「YesかNo?」 型の広告の方が正解です。

ただし広告サンプル12を選ぶか広告サンプル13を選ぶかは、生活者が製品の違いを実感あるいは予感をするのに要する期間で決めるべきで、広告サンプル12の方が、より多くのレスポンスを獲得できるはずですが、サンプル試用期間中に製品の価値が実感あるいは予感ができづらい製品であれば、製品購買へのCVは期待できないので、レスポンスの件数は少なくても、いきなり製品の販売を目指す広告サンプル13を選択した方が有利ということになります。

逆に、使用感が売り物──使ってすぐに違いが実感できる――製品であれば、広告サンプル12でも13でもなく、無料サンプルを請求するための広告にすべきで、サンプルのコストは膨れ上がりますが、クイックなCVが期待でき、すぐにそれを上回る売上につながるはずです。

【集客のポイント⑭】意図的に異なる広告に見せる?

広告サンプル14:マンションの豪華なエントランスにフォーカスした折り込みチラシ

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広告サンプル15:マンションの室内イメージにフォーカスした折り込みチラシ

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広告サンプル16:マンションの外観にフォーカスした折り込みチラシ

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広告サンプル14から16は新築マンションのモデルルームへ集客のための折り込みチラシです。

一見、異なる物件のチラシに見えますが、実は三つとも同じ物件のチラシで、他にも外観の完成予想図をメインにしたチラシ、街並み紹介をメインにしたチラシ、それらの縦位置や横位置のチラシ、さらには用紙の違うチラシなど、多い場合は10種類を超えます。しかもデザインはすべてバラバラ、イメージの統一感はまったく図られておらず、シリーズ性というのも皆無です。

実は新築マンションの販売期間というのは3カ月前後と非常に短く、そもそもイメージの蓄積による効果は初めから期待できないようです。また、これらのチラシの目的は、「今週末のモデルルームへの誘引」に限られているので、「先週も見た同じ物件のチラシ」と思われるよりは、毎回「違う物件の新しいチラシ」に見えた方が、その都度ターゲットが手に取ってもらえる可能性が高まり、結果的にモデルルームへの来場者数を増やすことに役立つようですが、他ではあまり見かけない例外的な集客視点と言えます。

今回で【集客のポイント】は終了です。次回からは、【説得のポイント】についてご説明します。 

PROFILE

後藤 一喜(ゴトウ カズヨシ)

広告主、メディア、通販業、広告代理店等、さまざまな立場での実務経験と幅広い業種を担務した経験を持つ。㈱カタログハウス在職中は、商品開発や制作だけでなく、多様な通販実務を担当。その後、㈱電通ワンダーマン【現 電通ダイレクトソリューションズ】(企画推進部/クリエーティブ部・部長/執行役員)、㈱ユビキタス・コア(メディアマーケティング部長)、㈱電通イーマーケティングワン【現 電通デジタル】(ディレクター室・室長/クリエーティブ室・シニアマネージャー)を経て独立。現在は㈱B2B2Cにて、レスポンス周りのアドバイザーとして活躍中。

■ウェブサイトhttp://b2b2c.co.jp/

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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