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電話応対業務の質UPは、通販事業社とSVとの二人三脚で~アウトソーシング先選定のための具体的なポイントと注意点②~

通販・ダイレクトマーケティングの基礎講座 〈vol.25〉

通販事業における電話応対業務の変化

今回も前回に引き続き、顧客応対業務のアウトソーシングについて述べていきます。
その説明の前に顧客応対業務、すなわち電話応対業務について少し整理しておきたいと思います。通販市場は、購入者(=生活者)の「家にいながら商品を受け取りたい」「店舗で売っていない、自分に合った商品を購入したい」というような多様化するニーズに、企業が対応しながら成長してきました。その成長を大きく促進したのが、物流とIT等のインフラの充実です。物流が充実することでより便利に安価に早く荷物を配送し、ITが充実することにより受注から代金回収までのフルフィルメント機能が向上し、金融商品や電子チケット等の無形物の取り扱いも可能になりました。

また、ツールの制作や電話応対業務等の通販事業を展開するのに必要な機能を請け負うアウトソーシング企業も増加し、充実してきました。そして、通販事業社が活用する媒体の活用方法も大きく変化してきました。今回テーマにしている「電話」というツール。かつて、固定電話の世帯普及率は非常に高かったのですが、現在では設置数は全盛期の半分以下に減少し、逆に携帯電話などは普及率が急激に上昇しており、個人が電話を保有することが一般的と言えるまでになってきています。

この変化により、通販企業が電話というツールの使い方を変えていく必要が生じてきました。取扱い商材や企業の方針によりさまざまですが、たとえば若年層に対しては電話でのアプローチは好ましくないと考えたり、アウトバウンド(企業からの発信)の時間帯がよりシビアになったり、販促目的のアウトバウンド業務は一切しないという方針にしたり、等です。インフラが充実して通販市場が急成長する過去とは異なり、電話というツールの活用の仕方をしっかり考えなければ、メリットどころか大きなデメリットになりうるからです。しかし、オリジナル性の高い化粧品や健康食品等の商材で、ターゲットが中高年層である場合には、電話はきちんと活用すれば顧客に対しても高いベネフィットを提供できるツールなので、顧客と企業側のメリット・デメリットをしっかりと把握し、議論して適切に活用していくことが大切です。

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アウトソーシング先選定にあたってのポイントと注意点
2:SV(スーパーバイザー)の確認

前回の記事で「1」を説明しましたので、今回は2つめから説明していきます。
電話応対業務は通販事業社にとって強力な武器にもリスクにもなるので、アウトソーシング先の選定はしっかりと相手を見極めて慎重にしなければなりません。選定にあたっての2つめのポイント、SV(スーパーバイザー)を確認することは非常に有効です。SVとはスーパーバイザー:supervisorの略語で、電話応対現場の把握と応対者を管理する役職です。チームの規模が大きい場合は、SVのサポートをするSSV(サブスーパーバイザー)やリーダーがいる場合もあります。

電話応対業務に限らず、通販事業社はアウトソーシング先に丸投げはせず、自分たちも業務に関する知識を習得しながら、現場と連携してクオリティを向上させていかなければなりません。そういうなかで現場を直接把握・管理するSVは、通販事業社が現場をきちんと把握し連携していくために非常に重要な役割を担っていると言えます。

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SVのスキル確認ポイントは?

では、どのようなSVが望ましいのでしょうか。ひとつは、現場の状況を把握していること。通販事業は、業務状況を数値:KPIで把握し、評価することができます。それはビジネスモデルとしてとらえると利点ではありますが、一方で数値では見えない現場の状況もあります。電話応対業務はその数値では見えない部分がとても多く存在するので、SVは単にKPIを集計・把握し、報告するだけではなく、「現場がどのような状態にあるのか」というアナログで定性的な情報を把握していなければ機能としては不足だと言えます。

そしてもうひとつは、現場の電話応対者からの意見と、お客さまからの意見等の客観情報を区別してとらえられているかという点です。電話応対者は、とくに高実績者にはアナログな方が多く、個性が出やすい傾向があります。その電話応対者から受ける報告内容、いわば応対者の主観性が強い意見と、実際のお客さまからの意見や実態は必ずしも同じと言えないので、SVはこれらの情報を区別して整理・分析できなければなりません。こういうことは実体験しなければなかなか分かりくいと思うのですが、たとえば電話応対者から「今回のキャンペーンはプレミアムの魅力がない。お客さまの購買を喚起できない」という意見があったとしましょう。その意見をそのままに受け取ると、「次回からはプレミアム選定を見直す」ことは改善案のひとつになりますが、実際に意見を出した応対者のトークを聞いてみると、プレミアムに依存したトーク内容になっていて、実際に購入いただく商品の情報が応対者の理解不足で効果的に訴求できていない、つまり自分の実績低迷の理由を別のことに置き換えている可能性があるのです。このような例をSVが把握して分析・判断するには、KPI等の数値分析だけでなく、業務に携わる応対者たちとの会議や応対録音の聞き起こしを行わなければなりません。

また、これらはあくまでも状況把握に過ぎないので、それだけにとどまらず状況を改善するために、聞き起こしのフィードバックや勉強会、ロールプレイング等による教育・育成を加えてPDCAを行うことで、現場のクオリティが向上し実績にもつながってくるのです。会議のテーブルに上がってきて目にする数値の裏に存在し、KPI等の把握よりも重要とも言えるこのような構造は書籍等で知識を習得しにくいので、SVのスキル等を確認する際には注意が必要になります。

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通販事業社がしたほうがよいこと

重要度が高いにも関わらず、コントロールが難しい電話応対業務。なるべく円滑に進めるために通販事業社でしたほうがよいことはいくつかあります。まずは、会議を定期的に実施し、数値のみでなく現場のアナログな情報を共有してもらうようにしてください。そのためには、現場の管理者であるSVになるべく同席してもらうようにしましょう。つまり、通販事業社の担当者も現場の情報や状況をできるだけリアルに共有し、把握するのがポイントだということです。

また、実際のお客さまとの会話を定期的にモニタリングしてください。これはセンターによっては嫌がられるかもしれませんが、事業社のスタッフが肌感覚で現場を感じるには効果的なやり方なので、いったん拒否されても得られるメリットをうまく説明しながら交渉してみてください。実際にモニタリングを行うと、SVや営業の方々との会議内容が理解しやすくなり、前述したような数値の裏にある問題点や改善のヒントが見えてきます。また、モニタリングをすることによってSVや営業等の管理者に対しての牽制にもなり、よい緊張感をつくることもできる等のメリットが多くあるのです。

そして、商品やキャンペーンの説明会は事業社スタッフが行うようにしましょう。お客さまと実際に接するのは電話応対者ですので、商品のよさやキャンペーンのメリットを効果的にお客さまに伝えるために必要なことは、それを伝える電話応対者自身が商品やキャンペーン内容を「よい」と感じることです。これを促進し、実際にきちんと内容が落とし込まれたかどうかを確認する意味でも、事業社のスタッフによる説明会や勉強会は非常に有効なのです。

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通販事業社は、まず電話応対業務の理解を

なにより通販事業社は、電話応対業務は購入者と企業との直接の接点であり、売上に直結する商品の販売だけでなく、「企業に対するイメージを醸成する」という機能もある重要な業務だということを理解しましょう。数値だけでははかれない理解しにくい構造ではありますが、きちんと活用することで、DMやカタログ等ではできない、お客さまとの関係性を構築する役割を果たしてくれる重要なツールですので、SVと連携し電話応対者たちのスキルを上手に活用して、事業の発展につなげていくことをお勧めします。

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PROFILE

戸川 孝一

株式会社電通西日本 

ダイレクトビジネス推進室

ビジネスディベロップメントディレクター

1999年、電通西日本に入社。 以来16年間、営業職として、オフラインを中心に、様々な業種のクライアント様の業務支援を担当。その後、内勤職への異動に伴い、ダイレクト領域とデジタル領域を担うプランナーに転身。現在に至る。 顧客データをベースとしたダイレクトクライアント様の『オンライン×オフラインを駆使した新規顧客獲得』から、『セグメントに基づく顧客育成』までワンストップで対応。 各クライアント様のレスポンス数字と向き合いながら、身を持って、数字の『楽しさ』と『怖さ』を実感する、一喜一憂の毎日。

■通販エキスパート1級

■上級WEB解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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