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顧客応対業務の協力会社は選び放題!?~アウトソーシング先選定のための具体的なポイントと注意点①~

通販・ダイレクトマーケティングの基礎講座 〈vol.24〉

「制作」と「顧客応対」は、お客さまとのコミュニケーションの要

通販市場の拡大には、流通等のインフラとIT技術の充実が大きく貢献してきました。そのような流れの中、一昔前に比べると通販事業への参入は格段にしやすくなった反面、競合企業も増加し競争が激化してきているのが現状と言えます。オリジナル商材を扱う通販事業は、商品・企業イメージ・サービス等、さまざまな点で競合他社との差別化を図り、優位性を勝ち取ることが事業の勝敗の大きなポイントと言えるのではないでしょうか。そして、実際にお客さまに対して情報を発信しコミュニケーションを取る役割は、通販事業社のメッセージが落とし込まれた印刷物やTV広告等の制作物と、今回説明する顧客応対業務が主となります。

実際にお客さまが使用する商品のクオリティはもちろんですが、同等かそれ以上に重要なのがお客さまとの直接コミュニケーションとも言えるので、とくに差別化戦略を取る企業は、お客さまとのコミュニケーションの接点である「制作」と「顧客応対」はしっかりと内容を吟味して整備し、質を高めていくことを重要視してください。

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顧客応対業務とは何か?その種類と特徴

コミュニケーションセンター、コールセンター、テレマーケティングセンター、オペレーションセンター、コンタクトセンター…。企業によってさまざまな呼称がありますが、要するにお客さまの応対をする機能・部門のことで、業務内容によってこれらの名称を使い分けるケースもあります。ひとことで顧客応対と言っても、受注・問い合わせ対応やクレーム処理、代金督促、データ入力、チャットやメールなどのWEB対応等、機能は多岐に渡ります。

これらの業務内容ごとに応対者の適正や難易度等が異なるのですが、売り上げに直接かかわるプロフィットか、作業性が強いノンプロフィットかで大きく区分するとわかりやすいかもしれません。とくに注意が必要なのはプロフィット業務です。そこで、WEB以外のプロフィット機能について、今回を含め数回で説明していきます。

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内制化か?アウトソーシングか?

この顧客応対の機能・部門を内制化するには、直接的な費用はもちろん人材等の総合的なコストがかかるので、事業がある程度の規模になり安定するまでは外注で対応する企業が多いのではないでしょうか。事業立ち上げ時に資金が潤沢で、人材がそろっているのであれば別ですが、そうでなければアウトソーシングする方がよいと思います。

とは言え、顧客応対はお客さまと接する非常に重要な機能・部門なので、本来は内制化して社内にノウハウを蓄積するとともに、顧客から得られる情報をフレキシブルに活用する必要性と価値が高いのですが、前述した通り、通販事業の未経験企業が立ち上げ時に内制化するにはコストと運用面で大きな負担とリスクがあるのが現実なので、悩ましい問題だと言えます。本質的には内制化すべき機能、現実的にはアウトソーシングした方が効率的という矛盾を含む選択をしなければなりません。

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顧客対応業務は、アウトソーシング先の「実態」を検討すべし

顧客応対業務のアウトソーシング先(協力会社)の検討は、いまや数多くの受託企業があるので選び放題に見えます。「通販 電話応対」等で検索すれば、大手から中小規模まで多くの候補がリストアップされ、どの企業も通販経験が豊富でスキル等のマーケティングレベルも高いと宣伝しているので、通販事業を新規で立ち上げて「顧客応対はアウトソーシングで」と考えている担当者は、「餅は餅屋。アウトソーシング先に任せておけば問題ない」と思うでしょう。しかし、実際にはそんなに簡単ではないため、安易な考えは危険です。顧客応対業務としてひとくくりにせず、業務内容に応じて実態を評価・検討する必要があります。

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アウトソーシング先選定にあたってのポイントと注意点:業務内容の確認

まず最低限必要なのは、「類似業務の経験」です。これは、アウトソーシング先を選定する際に重要なポイントです。もちろん、類似業務経験が豊富な方がよいのですが、前回の「制作(クリエーティブ領域)」でも説明した通り、企業として大手通販業務を長く請け負っている、というセールストークを信用して発注を決定した後、実際にアサインされた自分たちの業務を担当するスタッフやチームが、そのセールストークに足るスキルを有していないケースも存在します。セールストークに応じたチームやスタッフを実際にアサインしてもらえるのか、の確認が必要です。

そしてその次に、具体的な業務内容についての確認も重要です。一言で「通販化粧品の業務経験が豊富」と言っても、その業務内容によって必要なスキル等が大きく異なるからです。売り上げを創る顧客応対業務は、大きく新規顧客獲得と顧客活性化(リピート)のふたつなので、とくにそれらを重点的に説明していきます。

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~新規顧客獲得~

新規顧客獲得に関わる応対業務と言っても、さまざまな種類があります。媒体広告での1次レスポンスに対する定期購入引き上げや安価なお試し商品等の見込み客獲得後の商品購入引上げ等、具体的に詳細をヒアリングすることが大切です。クライアントは実績等を聞くとスキルがある程度備わっているだろうと期待しますが、顧客応対スキルは組織的に水平展開することが難しい傾向にあり、応対者個人あるいはそれをまとめるリーダーやSV(スーパーバイザー)単位のチームに蓄積され、それぞれの品質が大きく異なりやすいのです。

新規顧客獲得と顧客活性化(リピート)の応対業務は、決まったことをスクリプト通りに伝えるアナウンス業務とは異なり、営業要素が強いので、応対者やチームによって非常に大きな品質差が生じやすいのが特徴と言えるのではないでしょうか。もちろん、高いレベルで品質管理されているセンターもあるかもしれませんが、そのようなセンターは少数に感じるので、実態をしっかりと評価・検討したほうがリスクヘッジできると思います。通販事業はシステマチックな反面、スキルが個人につきやすく、非常に俗人的であることはお伝えした通りですが、顧客応対はそれ以上に俗人的でアナログ的であると言えるでしょう。

そして、顧客応対業務のアウトソーシングの難しいところは、業務開始前に通販事業社が顧客応対品質の良し悪しを評価することが難しいことにあります。そして、「プロに任せている」という前提から、自分たちは品質を確認する必要性すら感じておらず、実際に業務を始めたときに実績が期待値に大きく及ばないという事態に直面するまでリスクに気づかないというケースがあります。とくに、新規顧客獲得に関連した業務等は、目標値に対して未達だと事業計画に大きく影響し事業存続にも関わるので細心の注意が必要です。

~顧客活性化(リピート)~

顧客応対業務はいったん発注先を決めて稼働し始めると、別のアウトソーシング先に切り替えることが困難であることもリスクとしてとらえておくべきです。もちろんアウトソーシング先の切り替えは可能なのですが、立ち上げ前に実施する企業・商品等の説明や立ち上げ前の勉強会、Q&A等の資料準備等、準備には手間がかかり、それらをもう一度実施することは負担が大きすぎるからです。

また、顧客応対業務を発注するのに合わせて、顧客情報を管理するデータベースの運用や伝票発行、発送業務まで連結させて発注するケースも多く、切り替えにかかる労力を考えると、簡単には変更を判断できない状況に陥るのです。このようなことから、とくに顧客応対のアウトソーシング先の選定は慎重に行わなければ後で大きな後悔をすることになりますので、ご注意ください。

次回も引き続き、「顧客応対業務」のアウトソーシング先の選定について、そのポイントと注意点を詳しく説明していきます。

PROFILE

戸川 孝一

株式会社電通西日本 

コミュニケーションプランニングセンター

ビジネスディベロップメントディレクター

1999年、電通西日本に入社。 以来16年間、営業職として、オフラインを中心に、様々な業種のクライアント様の業務支援を担当。その後、内勤職への異動に伴い、ダイレクト領域とデジタル領域を担うプランナーに転身。現在に至る。 顧客データをベースとしたダイレクトクライアント様の『オンライン×オフラインを駆使した新規顧客獲得』から、『セグメントに基づく顧客育成』までワンストップで対応。 各クライアント様のレスポンス数字と向き合いながら、身を持って、数字の『楽しさ』と『怖さ』を実感する、一喜一憂の毎日。

■通販エキスパート1級

■WEB解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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