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ネット広告全般 コラム

はじめましてのPDCAグルグル

~駆け出しデジタル・マーケッターの奮闘記①~

世の中の潮流を受け、広告会社「京王社」のDMC部にもデジタル化の波が押し寄せている。まずはデジタル領域強化の担当として新しく2名の部員が加わることになった。どうするデジタル担当!

DMC部ではガシラ部長により朝からメンバーが集められ、新しく制定された社の方針とそれに伴うDMC部の体制改革の話が告げられていた。
よりデジタル領域を強化するという話ではあるが、とりわけミンナの興味の先はバツが悪そうに井之頭の隣に並ぶ見慣れない顔だ。

「あー、紹介するよ。今日から新しくメンバーに加わる浜松ハママツチョウくん山手ヤマテリネリネさんだ」

「ど、どどどどうも。浜松です」
「おはようございます。山手です」

すっかり場の空気に飲まれている浜松兆次と、爽やかに笑顔をみせる山手リネ。お互いにフレッシュ感ありありで、その風貌からも新人だということが見て取れる。

「それでは二人とも簡単に自己紹介してくれるかな」

井之頭に促され、まず浜松兆次が口を開く。

「はい。浜松っす。浜松兆次っす。えー、なんというかそのぉー、今回デジタルのぉー、ウェブのぉー、担当ということで配属されたんですがぁー、そのぉまあ昔っからぁー、
あっ、昔ってことはないか、へへへ」

最初は部員も興味津々で見ていたのだが、そのうちあまりにもグダグダな内容に失笑が起きる始末。それにも構わず浜松は強引に自己紹介を続ける。

「まあ、なんですかウェブはとにかく任せとけって感じなので、何でも言ってください。頑張ります!あっ、ボクのことハマちゃんって呼んでください。よろしく!」

部のメンバーはハマちゃんのあまりのハチャメチャっぷりに唖然とし、決して任せとけって感じではないことをしっかりと感じた。場の不穏な空気の中で山手リネが続く

「はい。山手リネです。浜松君がハマちゃんなら私はヤマちゃんかな。フフ。私は大学の時に情報処理のコースを選んだのでおのずとウェブ・マーケティングの世界に入りました。そこで必要だと思ったので、ウェブの資格も取得したんですよ。この部に配属されていよいよ実戦で自分が学んできた知識が生かせるかと思うとワクワクします。いろいろと失敗もあるかと思いますが、頑張りますのでよろしくお願いします」

ハマちゃんのグダグダな自己紹介の後で、立派に場を建て直しキチンと自分の自己紹介を終えたヤマちゃんに自然と拍手が沸いた。

「ま、まあよろしく頼むよ。そんなに気負う必要ないから。うちの部はミンナ気のいい奴ばかりで何でも言える雰囲気だから、何かあったら相談して。ミンナもよろしくね」

「はい」

井之頭の言葉に一同が返事をする。

「で、これから2人は関係するセクションに挨拶に行くのでついてきてくれますか」

「はい。分かりました」

井之頭の後ろをついて歩きながらヤマちゃんハマちゃんに小声で語りかける。

「ちょっとぉ。さっきの挨拶なんなの。しっかりしてよっ。こっちも一緒にいて恥ずかしくなるから。ねぇ、分かってんのっ」

「そうかなぁ。でもガッツリやる気があることは伝わったんじゃない?」

「はぁ?あんたばかぁ?あれのどこがやる気を感じるのよっ!」

そうこうしているうちに次のセクションへと挨拶回りは続く。その都度ハマちゃんはおとぼけを繰り返し、ヤマちゃんはセクションの業務内容に合わせたそつのない挨拶をする。
一通り挨拶回りが終わると、2人は別室で暫くの待機を言い渡された。そこでヤマちゃんが吠える。

「ねえハマちゃん。あなたP・D・C・Aって知ってる?」

「もちろんだよっ」

少しむきになってハマちゃんが答える。

「じゃあ言ってみて」

口答試験のように追いつめられる。
「えっと、Pは…、PLAN(プラン)計画だな」
「んで、Dは…あっDO(ドゥ)だ、実行!」
「それからCは、なんだったかな、CHECK(チェック)評価だ!」
「最後のAは、ACTION(アクション)?えっ、なに?また実行?」

たどたどしく答えるハマちゃん。それに対し深くため息をついてヤマちゃんが喋る。

「はあ~。アクションは改善。いい。ハマちゃんの自己紹介は、事前に話す内容の整理、つまり計画がないの。だからその場その場でただ話してるだけ」

image6

「うっ、言われるとキツイけど確かにそうかも」

「それに、一度失敗したことについてチェック。つまり客観的な評価ができてないわけ。何がダメだったのかが分かってないから、同じことを繰り返しちゃうの」

「ううっ、確かに今日は全部同じ感じでグダグダになったかも」

「でしょう。評価が無いから最後のアクション(改善)もできない。自分ではまた実行なんて言ってたけど、ハマちゃんの自己紹介は計画もなくて評価もないからただ喋ってるだけになっちゃうの!」

「ということは、ボクは大失敗してるってことなのかぁ」

「そうね。でもこのPDCAサイクルを回し続けていけばホントの失敗じゃないわ。つまり目的・目標をハッキリさせて、定期的にチェックをしていく。その評価に基づいた改善を行っていけば、キチンとした自己紹介ができるの」

「そうか。自分のすることを計画して評価して改善すればいいんだね」

「そうね。でもそれで終わりじゃないわよ」

「ええ~、まだあるの」

「だって完成形が一つでいいってわけじゃないじゃない。イケイケの営業チームに挨拶するときと、お堅い役員に挨拶するときが同じじゃおかしいでしょ。それはやっぱりその時に求められているモノは何かを考えて変えていかなくちゃいけないわ」
「おおー。やっぱりヤマちゃん頭いいね。参考になるよ」
「いえ。これ当たり前だから。P・D・C・Aってウェブ・マーケティングだけの話じゃないから。業務の中でどんどん活用していけるのよ。もちろん生活のシーンでもね」
「そうかぁ」
「だからもう一回整理しておくとね。まずプラン」

PLAN(計画)

相手が何を求めているのか。自分が何を伝えたいのかを整理して、目標(計画)を立てる。

DO(実行)

立てた目標(計画)に対して何をするかを明確にして実行していく。この時結果が分かるように具体的なチェックポイントを設定しておく。

CHECK(評価)

実行した結果が良かったのか悪かったのか判断する。この時にチェックポイントを設定しておけばより正確な評価・検証ができる。

ACTION(改善)

評価・検証によって見えてきた課題の解決策を考え改善していくこと。ここで計画を続けるか、止めるか、改善して実行するかを判断。次のPLANに結びつける。

「いい?ハマちゃん分かった?P・D・C・Aを意識すればあんなグダグダの自己紹介はないわけ。しっかりしてよっ、もうー」
「わかったよっ!はじめましてのP・D・C・Aグルグルだねっ」
「…ホントに分かってる?」

ヤマちゃんが深いため息をついた。

PROFILE

廣瀬 亘

電通西日本

コミュニケーションプランニングセンター ビジネス開発部

ビジネスデベロップメントディレクター

1996年、鉄道系広告代理店より転職し電通西日本に入社。広島支社にて営業職を務め大手紳士服販売会社、大手移動体通信キャリアをアカウントプランナーとして担当。地域電通発足時に企画営業スタイルを創造する。 その後内勤職としてプロモーションとマーケティングを融合させたソリューション・セクションの立ち上げに従事。2011年大阪本社に異動後コミュニケーションプランニングセンターに所属し新規ビジネスの開発に携わる。近年は、数字では見えないクライアントとユーザーとの関係性。たとえば共感・愛着・信頼が生み出す価値を重視してプランニングすることを目指している。

■日本マーケティング協会 マーケティングマスター

■ウェブ解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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