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驚く→妥当と思う→腑に落ちる…レスポンスが増えるのは、合理的思考ではなく直感!?

レスポンス広告の極意 〈vol.1〉

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「レスポンス広告についてもっと知りたい」「WEBで検索しても、実用的なケーススタディに乏しくて…」と、日常の業務に携わっているみなさまは感じる機会が多いことでしょう。エリアシではそんな方々へ向けて、ダイレクトマーケティングの世界に入って30年以上、さまざまなクライアントのレスポンス広告に携わってきた後藤一喜氏による連載をお届けします。
インターネットやデジタルの時代になって、ますます「レスポンスを獲得する」意味合いは大きくなっていると思われる昨今、「レスポンス広告の極意」についてわかりやすく解説をしていきます。

はじめに ~ 自己紹介

はじめまして、後藤と申します。ダイレクトマーケティングの世界に入って30年以上、主にアカウントプランニングや制作の仕事に携わってきました。担当したクライアントは、製造、流通、金融や通信、不動産、その他サービス等さまざまです。しかし、ダイレクトマーケティングとは端的に言えば、「こちらの打ち手に対して、ターゲットからのレスポンスを引き出すこと!」に尽きます。そこで10年ほど前に、わたし自身の経験をもとに一件でも多くのレスポンスを獲得するための方法論について、『費用対効果が見える広告~レスポンス広告のすべて』(翔泳社)という書籍にまとめました。今回、ご縁がありエリアシ内で連載を始めることになりましたが、書籍では伝えきれなかったニュアンス等、わたしが考える「レスポンス広告の極意」をよりわかりやすく伝えるように心がけていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

序章・レスポンス広告とは

まず、本稿で扱うレスポンス広告の定義についてご説明しましょう。
その一つめは、読んで字のごとくターゲットからのレスポンスを引き出す広告であること。そして二つめは、広告の中で刈り取りまですませる閉じられた完結型のコミュニケーションの仕組みと言えます。AIDMA[*01]で言うAttentionからActionまでに対応した情報のすべてが、その広告の中におさめられているということになります。三つめは、不特定多数層をターゲットにしたAcquisition施策[*02]、あるいはその一部であること。そして最後の四つめは、施策ごとの成果が計測され、それぞれの合理的な比較や評価ができる広告であることです。四つめの定義については異論があるかもしれませんが、PDCA[*03]によるプロセス管理による改善を基本スタンスとする本稿では、「思いつきCR」と「やりっ放し施策」は議論の対象としないので、あえて付け加えることにしました。

また、新聞やテレビ等の伝統的メディアにおけるレスポンス広告だけでなく、ネットにおけるバナー広告やリスティング広告からLPまでの流れ(クリックやCVを得るために連携したコミュニケーションの仕組み)は、入り口となる広告からLPまでをセットで捉えれば、本稿におけるレスポンス広告の範疇に収まると考えています。

次回以降では、読者のみなさまの理解を助けるために、リアルな広告サンプルを用いた解説を加えて行く予定ですが、その広告サンプルのメディア・フォーマット[*04]がバラバラだとフォーマットごとに異なる説明が必要になり、かえって理解の妨げとなるため、解説用の広告サンプルのメディア・フォーマットは統一することとしました。また、そのメディア・フォーマットに、テレビやインターネットのような自由度が大きいものを選んでしまうと、そこで説明されたアイデアを他メディアへ展開するのは結果的に難しくなってしまうため、本稿ではあえて条件の厳しいメディア・フォーマットの代表格とも言える「新聞全5段モノクロ」を選ぶことにしています。これは、新聞5段であれば、そこに表現された情報は限りなく「アイデアそのもの」に近いモノとなるはずなので、他のメディア・フォーマットへの展開(例えば、同じアイデアをバナー&LPに落し込んだり、動画にして配信すること)も容易になるはずだと考えたからです。
※詳しい内容・アイデアについては、次回以降の記事を楽しみにお待ちください。

ターゲットは、足早に通り過ぎる通行人!

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例えば、あなたがサプリメントの通販広告(=レスポンス広告の代表例)を実施する場合、そのレスポンス広告はあなたにとっては広告と言うよりもむしろ販売手段であり、あなたの目的もリアル店舗の店主と変わらないはずです。しかし、この二つが最も異なるのは、リアル店舗がサプリメントを求めて買う気満々でやってくる来店客をターゲットにしているのに比べて、レスポンス広告の場合、例えるとするならば、店舗の前を足早に通り過ぎようとしている通行人(=単なるメディア接触者=不特定多数層)をターゲットとしなければならない点になります。つまり、レスポンス広告を制作する際に最初に覚悟しなければならないのは、ターゲットがリアル店舗の場合とはまったく異なるという点なのですが、このことに気づかずに(あるいはあえて目を瞑って)制作されてしまったとしか思われないようなレスポンス広告が意外に少なくありません。

ターゲットが「店舗の前を足早に通り過ぎようとしている通行人」であるという前提で考えれば、彼らからレスポンスが得られるか否かは、出会いがしらの一瞬で決まることもご理解いただけるはずです。つまり、お笑いの「つかみはOK!」と同じです。もし「OK!」なら、通行人の関心を引き足を止めさせたことになり、確定ではないもののターゲットから笑いやレスポンスが得られる可能性が生じたことになるのです。逆に、「スベって」しまえば、そのまま通り過ぎられてしまったということで、その後に例えどんなに面白い爆笑ネタや有利な購買条件が用意されていたとしても残念ながら無意味で、決してレスポンスは得られないことが確定します。

これをもっとわかりやすく言いかえると、レスポンス広告でもし成果が得られなかったとしても、それは広告の情報が一字一句精読され正しく合理的に検討された結果(=掲載情報や該当商品の「根本的で最終的な否認」と言う意味)ではなく、単にそこにレスポンス広告が存在していたことに気づいてもらえず、ただ通過されてしまっただけというケースがそのほとんどを占めているということになります。「そんなバカな?」と思われるかもしれませんが、ターゲットが「足早に通り過ぎる通行人」であるとすれば、むしろその方が自然と言えるはずです。

「レスポンス」と「衝動買い」は、ほぼ同じ !?

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それでは、今度はあなた自身を通行人に置きかえて考えてみましょう。例えば、デパートで目当ての売り場や商品にたどり着くまでに、あなたはほかの売り場、そしてさまざまな商品の前を何も考えず感じずに、ただ通り過ぎるはずです。それは、その時のあなたにとって、それらの売り場や商品が自分に関係があり価値のあるモノとは認識されなかったからです。しかし、その一方でわたしたちは時々そのような売り場や商品の中から「思わぬモノ」を見つけてしまい、「つい買ってしまう」こと、いわゆる「衝動買い」をします。しかも、それは少ないどころか結構な割合で起こり、金額的にはむしろこちらの割合のほうが大きいほどです。おまけに、それは服飾品等の売り場に限って発生するわけではなく、スーパーの食品売り場のような一般的には必要なモノだけを買い求めに行く場においてすら頻繁に起こっているのです。

つまり、本稿でご説明する「レスポンス広告の極意」とは、本来であれば来店しないはずのお客さま、単なる通行人に過ぎなかったはずの彼らに、言わば「路上の衝動買い」をさせるための方法論なのです。要は、レスポンス(=衝動買い)と言う結果を、ターゲットと広告(商品や売り場)との「偶然の出会い」や「成り行き」、「ターゲットの気分」に任せにするのではなく、売り手であるあなたの意思と知恵とによって、それまでより合理的に・より高い頻度で・より多く引き起こさせるための方法論であり、アイデアと言えるのです。

いよいよ次回以降は、リアルな広告サンプルを用いて、「レスポンス広告の極意」の具体的な解説を展開していきます。どうぞお楽しみに!

[注釈]

*01:
AIDMA/生活者の心理変容モデルのことで、「Attention」→「Interest」→「Desire」→「Memory」→「Action」の5段階で説明される。このとき、一般広告のゴールは「Memory」であり、「Action」は店舗に委ねられる。ただし、ダイレクトマーケティングの場合、購買のために店舗におもむく必要がなく、「Action」までを広告の中で完結させてしまえるので、「Memory」は必要ない。このため、「Memory」を除いた「AIDA」で説明される場合が多い。
*02:
Acquisition施策/ダイレクトマーケティングでは、不特定多数層の中から新規購買客や見込み客を発見し獲得するための「Acquisitionフェーズ」と、それらの顧客や管理見込み客からさまざまなビジネスを引き出し継続していく「Retentionフェーズ」とに二分される。本稿で扱うレスポンス広告は、Acquisition領域の代表的な戦術のひとつと言える。
*03:
PDCA/「Plan」→「Do」→「Check」→「Action」の5段階のクローズドループで説明される、改善のためのプロセス管理モデル。レスポンス広告に限らず、ダイレクトマーケティングにおいては実証実験の積み重ねが重要な鍵を握っている場合がほとんどなので、ダイレクトマーケティングとPDCAは切っても切れない関係と言える。
*04:
メディア・フォーマット/メディア的には、印刷物、音声、動画等に分けられ、それぞれに「一斉同報型」や「個別随時型」、あるいは「ワン・ウェイ型」や「インタラクティブ型」等に分類される。例えば、印刷物をとってもポスター、チラシ、DM、新聞、雑誌と実に多種多様であり、さらにその中の新聞だけ抜き出しても「カラーページ」と「モノクロページ」とが存在する。そのうえスペースについても、いわゆる「三行広告」に始まり「全15段広告」まで(実際には複数ページにまたがる場合も)、加えて雑報と呼ばれるさまざまな小枠があり、制約は大きく異なる。そのため、同じひとつのロジックでそれらすべての説明をすることは難しいため、実際のメディア・フォーマットへの最適化は個々に行われる必要がある。

PROFILE

後藤 一喜(ゴトウ カズヨシ)

広告主、メディア、通販業、広告代理店等、さまざまな立場での実務経験と幅広い業種を担務した経験を持つ。㈱カタログハウス在職中は、商品開発や制作だけでなく、多様な通販実務を担当。その後、㈱電通ワンダーマン【現 電通ダイレクトソリューションズ】(企画推進部/クリエーティブ部・部長/執行役員)、㈱ユビキタス・コア(メディアマーケティング部長)、㈱電通イーマーケティングワン【現 電通デジタル】(ディレクター室・室長/クリエーティブ室・シニアマネージャー)を経て独立。現在は㈱B2B2Cにて、レスポンス周りのアドバイザーとして活躍中。

■ウェブサイトhttp://b2b2c.co.jp/

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

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