AREASHI ビジネス情報(エリアシ)

マーケティング

「企業と消費者をつなぐコミュニケーションの本質」


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電通出身のクリエーティブディレクターが語る、
2つのヒント。

デジタル化が進みコミュニケーションが多様化するいま。自社や商品・サービスが、顧客に支持されるためには? ――エリアシをご覧の皆様の中には、このようなビジネスの課題に奮闘されている方も多いかと思います。
そこで今回は、永年、電通でコピーライター/クリエーティブディレクターとして数々の大手クライアントを担当し、現在も広告の第一線で活躍される伊藤公一さん(ウミナリ代表)に、消費者から支持されるコミュニケーションについて語っていただきます。

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いまの企業のコミュニケーションは、片想い状態。

「デジタル万能」の時代になって、我々はビジネスの課題解決につい即効性、即物性を求めるようになりました。それは、企業の広告などのコミュニケーションにおいても然りで、とにかく売るため、数字目的の内容で伝えることとなります。
もちろん、それが消費者に受け入れられるのであれば問題ありません。しかし、現実には、『企業が求めているコミュニケーション』と『世の中が求めているコミュニケーション』は一致していません。いまの世の中の人は、別に企業とコミュニケーションを取りたいとは、もう思ってないだろうな、居ても少ないだろうなと感じています。企業にとってはかなりアゲンストの風が吹いている中で、それでもメッセージを伝え、コミュニケーションを図っていかなくてはならないジレンマを自覚しておいたほうがいいでしょう。
ですが、そんな厳しい世の中でも、稀ではあるのですが『企業が求めているコミュニケーション』と『世の中が求めているコミュニケーション』のマッチングが達成できることもあります。
参考になる事例をお話しします。とある老舗の和菓子屋さんが、地元の海岸のネーミングライツ権を買いました。普通であれば“〇〇饅頭海岸”のように命名できるのですが、その会社は名前を変えるんじゃなくて、「昔から受け継がれるそのままの海岸の名前に、命名します」と発表。そうすると、地元やSNSで「すごい英断」「〇〇饅頭絶対買います!」なんて声が出たりして、とてもいい会社だって、世の中に受け入れられた。結果として、企業ブランドの価値向上にも、売り上げにもなっている。まさに、企業が発信したかったことと、世の中が欲しがっていたことが見事に繋がって、しかもただ単に広告販促するよりも効果を生んでいます。
企業側が「商品買って」と言うのではなく、「地元への愛」という共通の想いで世の中と繋がるこのような手法は、全国規模の大手企業には逆に難しい。視点を変えれば、ローカルの企業だからこそできるコミュニケーションの強みや手法が、まだまだあるのです。

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だからこそ、言葉でどう伝えるかが重要になっている。

冒頭で申し上げたように、デジタル時代の言葉での伝え方は、効果を追求し、しかもABテストなどを繰り返して最適解を探っていくというものです。しかし、それでは短期的な売り上げは立ったとしても、いずれは限界がきます。なぜなら「売りたい」という企業側の姿勢しかバックボーンにないのですから。それは言わば、一方的な『インフォメーション』であり、消費者の心までも動かす『コミュニケーション』ではありません。
 その違いは、言葉の『余白』が鍵だと私は思います。伝えたいこと、文章としての速度は落ちるかもしれないけれども、その分読み手の消費者に考える余地をあえて残し、解き明かす時間を与える。この応酬こそが、企業や商品のファンになってもらうブランド視点に立ったコミュニケーションに繋がると考えます。もし、この記事をお読みのあなたが、短期のみならず中長期の経営や売り上げのミッションを抱えてらっしゃるようであれば、『インフォメーション』でいいのか、『コミュニケーション』をすべきなのか、まずは見極めたうえで、どう言葉を発すればいいのか、今一度お考えになってみてください。

PROFILE

伊藤 公一

クリエーティブディレクター/コピーライター。コピーライターとして電通に入社。2011~2015年Hondaのエグゼクティブクリエーティブディレクター(ECD)として全コミュニケーションの統括を行う。2016年からはみずほ銀行のECDとして主にオリンピックキャンペーンを統括。その後クリエーティブディレクションセンター長、電通九州チーフクリエーティブオフィサーを経て、2020年、ウミナリ設立。現在、福岡と鹿児島を拠点にクリエーティブディレクターとして活動中。TCC部門賞、ADC賞、ACCグランプリ、朝日広告賞、毎日広告デザイン賞、クリエイター・オブ・ザ・イヤーなどを受賞。
近著として「なんだ、けっきょく最後は言葉じゃないか。」(宣伝会議刊)

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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