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~40男のデジタル奮闘記 第5話~いまさら聞けないデジタルで就活?

~40男のデジタル奮闘記~ VOL.5

いまさらながらデジタル

第5話:いまさらながらデジ活

キャスト紹介

夏の訪れを間近に控え、不安そうな空模様のように京王社DMC部の部員たちはそわそわと、どことなく心落ち着かない日々を過ごしていた。
部長の井之頭もその空気を感じ取り、今一度みんなの気持ちを引き締めるためにミーティングを開こうと考えた。しかし、堅苦しくなるのはみんなの気持ちを委縮させてしまうのではと思い、ミーティングを兼ねた昼食会を開くことを思い立った。
「どう?これからみんなで昼メシでも」
普段、いつ昼食をとったか分らないくらいバタバタしているこの部で、井之頭がみんなで昼食会するなんて言い出すのも珍しく、何かあるのかとかえって部員を緊張させた。
「どうしたんですか?部長」
駒場東がいぶかしげに尋ねる。
「いや、まあたまにはさ、みんなで話しながらなんてどうかなって思って」
「はあ・・・」
なんで部下を誘うのにこんなに気を使わなくちゃならないのか。そんな気持ちが井之頭の中にムクムクと湧き上がってくる。
「パワーランチですね!」
吉祥寺円が目をキラキラと輝かせて声を上げる。その様子に嬉々としているのがわかる。
「いや、まあ、それほど大仰なものではないのだけれど・・・」
円の勢いに押されながら井之頭が応える。
「面白いですね。やりましょう」
興奮したように神泉豊が同調する。
「えーずるいー。私も仲間に入れてくださいパワーランチ」
軽いノリで渋谷洋子が加わってくる。
「いや、なにか勘違いしてるだろキミら。まあいいや、とにかくメシ食べにいこ」
DMC部は、まとまりがよいのだかなんだか。ただ行動は早い。とにかく井之頭はこの勘違いした集団を連れて昼の繁華街に繰り出した。

時季なのか街中には気慣れないスーツを着た若者が目につく。
「目立つね就活スーツ」
井之頭がその光景を見て呟く。
「今年は2カ月早くなってるみたいですよ就活スケジュール、去年より」
駒場が応える。
「そうか。暑いのに大変だなぁミンナ。でも、就職活動はデジタル化しないのかねぇ」
空いていた店に入り窓の外を眺め、額に汗する若者たちを気の毒そうに見つめながら井之頭が語る。
「そうですねぇ、ある情報誌の調べだと、依然約7割の企業が手書き履歴書提出らしいですよ」
円が井之頭に同調するように答える。
「へー、7割も!」
神泉が驚いたように声を上げる。

fresh_team

「そうみたい。日本の企業文化なのかしらね、いまだに手書きが主流みたいよ」
円の言葉に返すように神泉が、
「でもオレの連れに手書きで書いた履歴書をコピーして提出した奴がいますよ」
「えーっ」
驚く一同。
「そ、それは無謀だよっ。学生からしたら会ってもらうためのファーストコンタクトなんだからっ」
慌てて井之頭が叫ぶ。
「ところで洋子ちゃんはどうしたの?」
井之頭はさすがの洋子でも履歴書をキチンと提出しただろうと、すがるような思いで聞く。
「うーん、どうだろ。海外留学してた時期だから英文で提出したかもー」
何とも言えない返答に言葉を失い、しばしミンナが無言となる。

「でも、企業のデジタル化が進んで私たちが就活してた頃よりずっと情報が入手し易くなりましたよね」
円が場の空気を変えようと話を振る。確かにここ数年で企業の就職活動でのデジタルコミュニケーションは進歩した。企業のホームページは閲覧者の目線で改善されスマートフォン対応も進んでいる。さらにオウンド・メディアと呼ぶブログやfacebook、twitterなどのSNSの普及。またホームページに設けられたフォームに登録すると、機を図ったタイミングで企業側からのメールが届くなど、顧客に対するように就活生に手厚く情報を送ってくれる。
それはまるで2013年ころアメリカのHubspot社が持ち込んだ、インバウンド・マーケティングの手法をなぞるようだ。きめ細やかな企業サイドからのアプローチで、売り手市場の中のとにかく優秀な学生を繋ぎ止めることに必死になっている様が見て取れる。

インバウンド・マーケティングの手法
eriashi

「でもさ、すべての企業がデジタル化に適応してるって言えないんじゃないのかなあ」
井之頭は言った。

確かに今の現状では企業によって就活におけるデジタル・リテラシーに差が発生している。
そこで井之頭は池尻から先日受けた夜の授業を思い出す。企業にとってのコミュニケーションが必要な機会。つまり自分たちのビジネスチャンスのタイミング。それがまさに新卒採用の場面だ。
「そうですね。企業によって対応がまちまちですね」
駒場が応える。
「そこにビジネスチャンスがあるんじゃないかなあ。変に着飾るわけじゃないけど、しっかりと自社の魅力を理解してもらいたい。沢山の就活生にトライしてもらいたいと企業は思ってるわけだろ。学生も選別されるわけだけど企業側も選定の場に晒されるわけだよね」
井之頭が熱く語る。
「確かにそうですね。こんなにデジタル化が進んでる世の中で、就活だけ会社案内のパンフレットっていうのもどうかなと思いますね」
「まあホームページくらいはあるかもしれないけど、就職活動に特化したものではないだろうな。それがなくてもSNSでフォローするとかさ」
「そこまでしてる企業は少ないかもしれませんねえ」
データで見ると2014年時点では、企業が就職活動にFacebookを活用したのは3割だった。しかし、学生は就職活動サイトや企業のホームページなどからインターネット経由で気軽に応募の申し込みができる。それにより一人でエントリーする企業数は大幅に増加している。つまり、まさに供給過多といった状況が出現する。
「それって僕らが提案できる環境があるってことじゃないか」
井之頭は興奮してきた。まさに先日池尻から聞いた話と、今自分が直面している状況が重なり合った。企業から学生に対するコミュニケーション。相思相愛な状態を作りだすことにより、とりあえず選んだ企業の内定辞退といった不幸な結果を避けたい。
「それに僕らの提案先が、通常お付き合いのある宣伝部とか営業部とかじゃなくて人事部が対象になるってことだよな」
確認するように井之頭が問う。
「でも競合に就活専門誌のようなツワモノがいるんじゃないでしょうか」
駒場が消極的になる。
「大丈夫。コンテンツ創造の分野では僕らに一日の長がある。十分戦える」
「あー、なんか燃えてきたー」
井之頭の熱を受けて神泉が興奮する。
「洋子ちゃん。一緒にプランニングシート作ろうぜ」
「だから渋谷って呼んでって言ってんの」
いまだにファーストネームで呼ばせない洋子と神泉のやり取りが一同の笑いを誘う。
そしてDMC部のデジタル就職活動〝デジ活”マーケットへの参戦が始まった。

「でもね、履歴書は手書きがいいと思うよ。心がね・・・込められてる感じがして、うん」
井之頭がひとり呟く。

【いまさらながらの文字解説】

・インバウンド・マーケティングの手法

Attract ユーザーを惹きつける

Convert リード(見込み客)へ転換させる

Close 顧客化する

Delight 顧客を満足させる

インバウンド・マーケティングは、有益なコンテンツを作成し、それらを見つけ、シェアしてもらうことが重要。ターゲットとなる理想の顧客に魅力的なコンテンツを提供し、サイトに何度も訪問したくなる仕組みを構築する。

※インバウンド・マーケティングに関しては本サイト(エリアシ)内で詳しく語られています。

PROFILE

廣瀬 亘

電通西日本

コミュニケーションプランニングセンター ビジネス開発部

ビジネスデベロップメントディレクター

1996年、鉄道系広告代理店より転職し電通西日本に入社。広島支社にて営業職を務め大手紳士服販売会社、大手移動体通信キャリアをアカウントプランナーとして担当。地域電通発足時に企画営業スタイルを創造する。 その後内勤職としてプロモーションとマーケティングを融合させたソリューション・セクションの立ち上げに従事。大阪本社に移動後コミュニケーションプランニングセンターに所属し新規ビジネスの開発に携わる。近年は、数字では見えないクライアントとユーザーとの関係性。たとえば共感・愛着・信頼が生み出す価値を重視してプランニングすることを目指している。

■日本マーケティング協会 マーケティングマスター

■ウェブ解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
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