エリアシ

ネット広告全般 コラム

~40男のデジタル奮闘記 第8話~どうする?デジタル・クライシス

~40男のデジタル奮闘記~ VOL.8

~いまさらながらデジタル~<vol8>

第8話:どうする?デジタル・クライシス

昨今、非常時を想定した危機管理が強く求められています。
デジタルの世界でも同様。どうする?デジタル・クライシス!

キャスト紹介

オフィスフロアに声が響く。
「うわっ。どうしよう」
駒場が突然声を上げる。
「どうしたんですか?」
部員が声に驚き反応する。
「やばい同じ苗字だったから間違えて、今度ウェブに掲載する原稿を違う人にメールしてしまったぁ」
「ええっ!それ大丈夫なの」
「内容はなんなんだ!」
井之頭の声も大きくなる。
「クライアントの次期発売予定の新商品のウェブ広告案です」
駒場が動揺する。
「それ他に漏れたらやばいんじゃないかっ」
井之頭が焦る。
「あっ、ドメインが同じだからクライアントの他部署の方です」
「よかった~。最悪の状況は避けられたみたいだな。すぐ先方に連絡しろ」
同じ社内と言っても他部署に情報が漏れることはあってはならないが、部外者に漏れてなかったことにひとまず安堵したDMC部のメンバーだった。

後日、井之頭によって部員が集められた。
「みんな聞いてくれ。先日駒場のメール送信ミスの一件で怖い思いをしたと思うが、昨今デジタルコミュニケーションが世の中にすっかり浸透したよね。それに伴ってリスクも増えてるような気がするんだ。初歩のケアレスミスは十分気を付けるしかないが、自分の手を離れたところで問題が大きくなってしまったらと考えるとちょっと怖いよね」
「そうですね」
部員が同意する。
「そこで今日はPRのセクションからリスクマネジメントの担当の方に来てもらい色々と話をしていただきたいと思うんだがみんな時間はいいかな」
「ぜひ!」
やはり部員もどこかしら不安を抱えながら業務をしていたのだろう、即答する。
しばらくして男性2人が井之頭に連れられ部署にやってきた。
「こちらパブリックリレーション部の四谷部長と、リスクマネジメント担当の市ヶ谷さんです。今日はよろしくお願いします」
照会された2人が挨拶する。
「今日は昨今取沙汰されて話題になっているソーシャルメディアの普及がもたらした情報社会の変化についてお話したいと思います。こちらをご覧ください」

image7

差し出されたデータをみんなが食い入るように見る。

新聞記事データベースにおけるSNS炎上関連記事件数の推移

image8
総務省「新聞記事データベースにおけるSNS炎上関連記事件数の推移」より

「これは新聞のSNS炎上関連記事の統計なんですが、その数は2010年以降顕著に増加しています」
「ホントだ。あたり前だけどSNSの普及率と正比例ですね」
「そうです。こちらはGoogleにおける『Twitter 炎上』『Facebook 炎上』というキーワードでの検索頻度なのですが、これも2010年頃から徐々に増加しています」

Google検索における検索キーワード「Facebook炎上」「Twitter炎上」の検索動向

image9
(出典) Google Trendsより総務省作成

市ヶ谷が説明する。
「インターネット上の書き込みが原因でトラブルに巻き込まれる現象自体はインターネット黎明期から存在しましたが、このようにSNSでの『炎上』が昨今特に注目されるようになった背景には、TwitterやFacebookなどのSNSが持つ機能上の特性があります。」
「特性?」
「そう。これらのSNSは自分が気に入った他人の投稿を、知人と簡単に共有する機能を備えていますよね、連鎖的に投稿の共有が行なわれて、瞬く間に広範囲へと『拡散』していくという特性があります。それに、SNSではスマートフォンで撮影した写真を簡単に投稿できるので、インパクトのある写真が掲載されやすい。それも『炎上』を誘発する一因となっています」

「続いて炎上までのメカニズムを見ていきましょう。」

ネット炎上のメカニズム

arrow

「このように炎上が発生するまでは大きく3つのフェーズがあります」

「まずは事の始まり発端フェーズです」

①発端フェーズ

まず少数の人が企業や有名人の不祥事などを発見し、自分に身近なSNSで情報発信します。いわゆる炎上の「火種」ともいえる段階です。数あるSNSのなかでもTwitterが問題の温床になるケースが多いといわれています。

「次に情報を深堀りして拡散していくフェーズ」

②深堀り・拡散フェーズ

【①】で発信された投稿がTwitter上や2ちゃんねるといった匿名掲示板上で、どんどん共有・拡散されていきます。そうしたリアルタイム性が強いネット空間で情報のアップデートや深掘りが行われ、より新しく詳細な情報(真実ではないものも含む)が展開されていきます。

「そしていよいよ炎上します」

③炎上フェーズ

【②】からさらにまとめサイトやニュースサイトにも展開され、事態が大きくなっていきます。この時点でもSNSで炎上が発生しているといえます。最悪の場合、Yahoo!など最大手ニュースサイトやテレビニュースにも広がり、炎上が大きく・長く続くことになります。

「そもそもその炎上はどこから始まったかをみてみると」

炎上のきっかけとなったサイト

image10
(出典)総務省:アディッシュ株式会社(株式会社ガイアックス)調べ

「こうしてみると炎上の4割がTwitterへの投稿がきっかけになっています。これはfacebookなどに比べ2chやTwitterが匿名性が高いことも影響していると思われます」
「やっぱり怖いなぁ」
駒場が驚愕する。
「私たちは何を気をつければいいんでしょうか?」
「そうですね。SNS、ソーシャルメディアはもはや公共空間と言っても過言ではありません」
市ヶ谷が答える。
「だからやり取りする情報はすべて流出するものと考えて行動することが、トラブルの防止や対策につながります」
「また、SNSはリアルタイムで見られており、場合によっては記録が残ってしまいます。たとえその時点で投稿が適切と思われる情報でも、後で撤回しようとして間に合わないことが十分にあり得ます。SNS運用担当者は様々な視点から注意・対策を行っていく必要が常にあります」

リスクマネジメント担当の市ヶ谷の話を一通り聞いて、DMC部のメンバーは少し沈んだような面持ちになる。張り詰めた空気に支配される一同。すると吉祥寺円が、
「一息入れましょうか。頂き物があるからお茶しませんか?」
と声を上げ、その場の緊張した空気を一転させた。

image11

PROFILE

廣瀬 亘

電通西日本

コミュニケーションプランニングセンター ビジネス開発部

ビジネスデベロップメントディレクター

1996年、鉄道系広告代理店より転職し電通西日本に入社。広島支社にて営業職を務め大手紳士服販売会社、大手移動体通信キャリアをアカウントプランナーとして担当。地域電通発足時に企画営業スタイルを創造する。 その後内勤職としてプロモーションとマーケティングを融合させたソリューション・セクションの立ち上げに従事。大阪本社に移動後コミュニケーションプランニングセンターに所属し新規ビジネスの開発に携わる。近年は、数字では見えないクライアントとユーザーとの関係性。たとえば共感・愛着・信頼が生み出す価値を重視してプランニングすることを目指している。

■日本マーケティング協会 マーケティングマスター

■ウェブ解析士

※このコラムは執筆者の個人的見解であり、株式会社電通西日本の公式見解を示すものではありません。
※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社商標または登録商標です。

[ 関連記事 ]

種類・特徴から用語集まで網羅!ネット広告基礎知識 ダウンロードはこちらから エリアシ編集部のクチコミ

月刊

電通西日本のメールマガジン
セミナー情報や広告トレンドを配信!!メールサンプル

INTERVIEW