競輪は、オリンピック競技にもなっている公営競技であり、近年は往年の人気を取り戻しつつあります。松山市では、GⅠレースであるオールスター競輪の誘致に17年ぶりに成功。地元が期待に包まれた一方で、事前調査では愛媛県民の約半数が「松山に競輪場があることすら知らない」という厳しい現実に直面していました。
「売上目標および来場者数の達成」に向けて、全国からの広域集客はもちろん、これまで競輪に馴染みのなかった地元の方に、競輪場に足を運んでいただくことも大きな課題に。従来の競輪界での集客プロモーションには見られなかった、新しい取り組みが求められていました。
この課題に対して、電通西日本松山支社は全社横断チームを組織し、電通グループの力を結集する体制で臨みました。まず、白濱亜嵐さん(松山市出身)と山之内すずさんを、競輪界初となるWアンバサダーとして起用し、従来のコアファン以外にも親しみやすさを訴求。さらに松山市中心部の商店街や空港、バスラッピングなど、地元・松山をオールスター一色に彩りつつ、最大の目玉としてドジャース戦の現地看板を掲出しました。大谷翔平選手の打席の背景に「オールスター競輪」を露出させることで、「なぜMLBに競輪が!?」という驚きを生み出し、SNSで大きな話題を創出。業界初の取り組みはファンだけでなく、業界内においても話題となり、双方で大きな注目を集めました。
話題化によって関心を高めるだけでなく、来場者に「競輪の迫力」や「魅力」をリアルに体験・体感してもらうべく、場内に誘導・滞在してもらえるような体験設計を行いました。
オールスター競輪に先立ち、3月に開催されたGⅢレースで、GPS機能を活用した人流調査を実施し、来場者の属性や新規・既存の割合を詳細に把握。さらにWi-Fiセンサーを設置することで、実際の回遊ルートや滞在時間、リピート率を検証・分析。これらのデータを基にCRMの考え方に沿って、最も熱気が高まるバンク(走路)と場内外に配置されたイベントブース間の回遊率を高めるスムーズな動線計画を実現しました。
戦略的なプロモーションに加え、誰が来ても楽しめる場内コンテンツの展開など、クライアントをはじめとして、橋本支部長率いる愛媛支部所属選手の皆さん、地元放送局やイベント協力会社など、多くの関係者がワンチームとなって6日間の開催を完遂しました。
その結果、開催期間中の来場者数は目標の38,000人を大幅に上回る50,276人を記録(前年度比150.2%増)。地方競輪場でありながら首都圏の主要場を上回る集客を成し遂げ、場内での車券売上向上にも寄与することができました。
今回のオールスター競輪の開催を一過性の盛り上がりに終わらせず、これを機に「松山けいりん」を市民の身近な文化として根付かせていくために。
今回はじめて競輪に触れていただいた新しいお客様との関係構築や、CRM基盤を今後の施策に継続的に活かしながら、地域との持続的な関係づくりと松山けいりんのブランド価値向上に向けて、これからもクライアントのパートナーとして伴走・サポートを続けていきます。