インタビュー

コミュニケーションプランニングセンター

松田 脩

Osamu Matsuda

クリエーティブ 統合プロモーション 地域ブランディング

地域ファーストの広告で一気に拡散

地域ファーストな広告で、地域での親近感を熟成します。地元企業の勢力が強い地域で、高い好感度とシェアの獲得を実現しました。

広島ファーストな企画で勝負

地域に密着したコミュニケーションのプランニングを担当していますが、全国に店舗展開する企業から依頼を受けることも数多くあります。全国統一のCMを放映して企業イメージを醸成しつつ、それぞれの地域で知名度を上げることによって、売上シェアを拡大したい。こうしたクライントの課題に、地方色の濃いCMで応えることができた事例を紹介しましょう。

その企業は、業界内では全国トップの業績を誇っています。ただし、広島県内においては、競合する地元企業の勢力が強く、依頼を受けた時点ではやや劣勢の商況に立たされていました。こうした市場環境の中で親近感を持ってもらうには、どうすればいいのか。課題解決の糸口は、地元で好感度の高いコンテンツを活用して、広島ファーストな企画を立案することだと考えました。そこで、地元のプロチームにご協力いただき、活躍する外国人選手を起用し、さらに、地元向けの広告であることを確実に周知させるため、広島弁を使ったCM案を提案しました。基本的にスポーツ選手は本業優先ということもあり、チームにはスケジュール調整で大変お世話になりました。

キャスティングの理由は、その選手が自転車で街を走る姿がメディアで何度も取り上げられ、地元の暮らしを楽しんでいるイメージがあったこと。そして、商品を身につけた姿が、文句なくカッコイイだろうと想像できたことも、大きな理由です。方言に関しては、流暢な広島弁のアテレコにしたほうが面白いものができると判断しました。

方言を使うならリアリティを追求

制作がスタートして、最も気を使ったのは方言です。広島弁に限らず、自分の地元の方言が、ドラマやCMなどでいい加減に扱われているのを聞くと、腹立たしい気持ちになりませんか。私自身もそんな経験があるので、とにかくリアリティを追求しました。私は広島出身ではないので、ネイティブな広島弁のナレーションで定評がある方にお願いして、ひと言ひと言を大切にしながら創りあげていくことに。当初の台本にはなかったセリフを加えるなど、収録現場でブラッシュアップしたことによって、納得できるものが完成したと思っています。

たとえば、「ユニフォームのままじゃけど、ま、ええわ」というセリフがあるのですが、「ま、ええわ」はナレーターから出てきた言葉です。ユニフォームを着て店舗を訪れるというシチュエーションにも、なんとかリアリティを持たせたくて、「ユニフォームのままじゃけど」というセリフまでは考えていたんですけどね。もうひとつ足りない気がしていたのです。それが、「ま、ええわ」というひと言でストンと腑に落ちました。この絶妙な方言のニュアンスによって、日常ではあり得ないシチュエーションも、見る人に「ま、ええわ」と思ってもらえる。そんな手応えを感じました。実際、このセリフですんなりCMの世界に入っていけたという声が多かったので、ひと言のチカラは大きかったと思います。また、選手自身がしゃべっていると思った人も多かったようで、リアリティに関しては満足しています。

実は、私は体育会系の人間ではないので、スポーツにはあまり詳しくありません。これまでにもスポーツ選手を起用したCMはたくさんありましたが、プレーする姿にこだわらなかったことが功を奏して、ひと味違うCMになったのかもしれません。

オンエアして1週間で2万回再生

CMがオンエアされると、たちまち話題になりました。地元でバズっただけでなく、WEBで一気に拡散されたことにより、1週間で2万回再生。テレビのスポーツ番組やWEBの掲示板でも取り上げられ、10万回に到達するのもあっという間でした。オーガニックでこんなにも広く拡散したのは、CMの話題性はもとより、出演してくれた選手が、たくさんの人に愛されていたおかげだと感謝しています。広島県内の各店舗では、CM効果で来店者数が急増したそうで、店舗スタッフからは「CMの恩恵にあずかっています」と笑顔で声をかけていただきました。

残念ながら、ご出演いただいた選手は2018年限りで退団されることになりましたが、地元のテレビ局が特別番組を放送し、このCMも番組内で取り上げられました。また、彼らがアメリカの自宅を訪問した映像には、店頭用に制作した等身大のパネルが映っていました。選手自身がとても気に入ってくれ、わざわざ持ち帰って部屋に飾っているのだそうです。そのことがまた話題になるという、うれしい置き土産になりました。

今後は、キャストを変えた続編も検討中ですが、広島ファーストの姿勢を貫いて、クライアントの認知度と売り上げの向上に貢献したいと思っています。


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