インタビュー

コミュニケーションプランニングセンター

住谷 徳人

Norito Sumitani

統合メディア 統合プロモーション 地域ブランディング

産官学で課題解決の新たな手法を切り拓く

企業が単独で課題を解決するのが難しい時代。産官学連携のスキーム構築やプロジェクト継続をサポートし、新たな切り口のソリューションを提供します。

課題解決の新たな手法を切り拓く「産官学連携」

~お風呂が好きになるキュレーションメディア~
クライアントの課題解決を模索する上で、企業と公的機関、大学が共同でプロジェクトに取り組む産官学連携が効果を生むケースもあります。1社単独での課題解決が難しい時代ですので、企業だけで物事を考えるのではなく、視野を広げる意味でも産官学連携は非常に大切な考え方です。給湯機器メーカーのノーリツ(※本社:神戸市中央区)は、人口が減少する中でいかにマーケットを拡大するか、主力製品でもある給湯機器にどうやって目を向けてもらうか、という課題を抱えていました。
はじめはノーリツと神戸市水道局との連携による水道やお風呂に関する情報発信やワークショップの開催を実施していました。電通西日本も活動のサポートを行ってきましたが、とあるタイミングで、「単身層(とくに、一人暮らしの若年層)がおふろに入らなくなっているのではないか・・・」という仮説にたどりつきました。「それなら、直接大学生に意見を聞いてみましょう!」という流れで、大学生とのワークショップが始まりました。ノーリツと神戸市水道局がかじ取り役となり、最初は神戸女子大学を交え、お風呂の魅力を伝えるためのアイデア創出などに取り組むようになりました。学生が情報の受け手ではなく「情報の発信者」になることで、主体的に「湯船にまいにちつかる」にはどうしたらいいか考え、いつしかその人たちがファン化するのでは?という仮説を設定し、若い女性をメインターゲットとしたWEBメディアを立ち上げることに。当初は、【成長型メディア】と名付けていて、メディア自体も大きく成長していくし、大学生に対しては、運営に関わると自分が成長していくことができる、という設計にしました。そして、この活動自体を「部活のように楽しくやりたい」という思いを込めて「おふろ部」と呼ぶことになりました。
こうして2016年2月に「おふろ好きなライターたちによる、おふろのキュレーションメディア」としてスタートした「おふろ部」を、私たちは進行補助やコンサルタントとしてサポートしています。

連携の鍵は相互にリンクする課題

現在、「おふろ×美人」「おふろ×ダイエット」「おふろ×グッズ」「おふろ×リラックス」「おふろ×アイデア」「おふろ×健康」という6つのカテゴリを設け、バスライフへの興味を喚起するような記事を数日に1本程度アップしています。記事を書くのは主にメディアやマーケティングを学ぶ学生で、現在は10大学以上の大学が参画し、輪が広がっています。また、水道局員やノーリツ社員、電通社員も執筆に関わっています。学生にとって良き学びの場となるよう、ライター育成のワークショップでは効果的な情報の伝え方やタイトリングなどを学んでもらい、将来に役立つ知識や経験を養ってもらっています。
「おふろ部」における産官学連携のポイントは、関わる3者の課題が相互にリンクすることです。ノーリツは「おふろに関心を持って欲しい(おふろで幸せを提供する会社のため)」、水道局は「水を一定量は使ってほしい」、大学生は「おふろにあまり浸からない=シャワーで済ませがち」+「企業や自治体など社会とのかかわりを持つ機会が少ない」という背景があり、大学生がちゃんとお風呂に浸かるようになれば、水もお湯も使われて共通の課題が同時に解決されるかもしれない。このように3者間以上での連携によって何かに取り組むときは、相関する共通の課題を見出すことがポイントになると思います。

収益よりも長期的なブランディング

これまでに公開された記事は累計で1,000本を超え、月に10万アクセスを超えるキュレーションサイトに成長しました。サイトの成長に伴って、バスグッズや化粧品関連の企業から取材依頼やコラボの依頼も数多くいただくようになりました。学生にとっては成長や交流の機会となり、就職活動においても有効なアピールポイントになっています。さらに、活動はWEBメディアの枠を超え、Instagramアカウントの開設やリアルイベントの開催にも発展。オン・オフの垣根を超えた取り組みで参画者の幅も広がっています。
おふろ部のInstagramアカウントも順調にフォロワー数を伸ばしており、将来的には現在のキュレーションサイトという形態におさまらなくなるかもしれません。SNSなどのプラットフォームに移行していくかもしれませんが、現在の形式にこだわらず、この産官学連携スキームを続けていきたいと考えています。収益化を求めているメディアではないので、学生が楽しみながら記事を書き、継続することで「学生自身にもっとおふろを好きになってもらう」ことも重視しています。そのため、高いKPIを細かく設定して追いかけるようなことはしておりません。ノーリツとしても「お風呂に浸かる」という習慣を広げ、給湯機器の業界全体を底上げすることを目指しています。電通西日本でも、単独でクライアントの課題解決に取り組むだけでなく、このように複数のプレーヤーの連携によるソリューションの可能性を今後も模索していこうと考えています。

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