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Our capabilitiesプロジェクト&ピープル

地域で、機能し続けるデザインを。

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クリエーティブディレクター / アートディレクター 木下 芳夫 Yoshio Kinoshita

企業・商品広告・パッケージ・CI・VIのデザインワークを経験したのち、広告会社を経て現職。2024年、北陸支社から岡山支社駐在へ。
金沢市「未来のまち創造館VI」「加賀野菜ブランディング」、三重県「伊勢湾のゴミをゼロに」、南知多町観光協会「夏は島民」、JR西日本、ストライプインターナショナル、ACジャパン、国際交流基金等を担当。
ビジュアルを軸にしたプランニングや映像・言葉の開発、企業やブランドの佇まいや顔となるコミュニケーションづくり。空間やプロダクトを含めた多面的、構造的なアートディレクションに取り組んでいる。

その土地にもともと存在しているものや、培われ、受け継がれてきたものの中にこそ、ヒントは存在している。

金沢市の伝統野菜「加賀野菜」。金沢市農産物ブランド協会が認定する15品目で構成されています。
売れ行き好調な野菜もあれば、生産者がたった一人の希少品目もあり、ブランド全体のイメージ底上げが急務でした。
2020年秋、市と同協会は加賀野菜のロゴマークをリニューアル。令和の時代にふさわしい伝統野菜のイメージの発信と販売促進に乗り出しました。

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ロゴマークは加賀藩の象徴「梅鉢紋」がベース。これまでの加賀野菜にも使われていた、金沢市民に馴染み深いモチーフです。
赤色は生産者の情熱を、中央から放射状に伸びる線は「光」や「輝き」をイメージ。「日本が誇る伝統野菜が光を放つ」という意味が込められています。
古いものを否定し新しいデザインをゼロから立ち上げるのではなく、その土地にゆかりの意匠を大切に継承しています。
これまで培ってきたイメージを尊重し、生活者に対してはコミュニケーションスピードが早く、地元の関係者に対しては親和性が高いという、二つのメリットをもたらしました。
ロゴマーク刷新により伝統野菜のブランド価値をさらに高め、作り手の増加と、後継者不足の懸念がある野菜の再興も目指しています。
ブランド価値の再構築が、地域に豊かさをもたらすきっかけになればと願っています。

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今あるものの魅力に気付き、その魅力を周囲にどう伝えていくか。

海産物全体は「金沢」という言葉でブランドを統一。都市ブランドの知名度を活かし、素材の良さをシンプルに伝える方法を選びました。
コロナ後のニューノーマルな社会において、お取り寄せを意識した産地表示や振る舞いを重視しています。
ここでは旧ロゴで使用していた「金沢の海の幸」という言葉を発展させて、「海幸金沢」に改称しました。

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ブランドロゴは海を意味する波線の上に、金沢の象徴「梅鉢紋」を表現した金色の星「***」を配置。他にも、船の漁火や宝、三ツ星、三方よしの意味も込めています。
デザインするよりも前の段階で、『金沢』というブランド力の高い言葉に注目しました。『金沢』と付けることで、最短距離で統一化が図れます。
今まで聞いたことがないワードを開発する「ゼロスタート」よりも、培われてきたイメージを財産として最大限に活用する道を選びました。

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広く伝わる、深く響く。機能し続けるデザインを目指したい。

デザインには見た目の派手さや斬新さが求められがちですが、本当のデザインとは、ブランド価値を向上させ、生産者を守り、豊かな地域づくりに寄与するもの。
アートディレクターやデザイナーがつくるものだけがデザインとは考えていません。言葉や文章、関係づくり、コミュニケーションの設計等、これらもデザインです。
今あるものの魅力に気付き、その魅力を周囲にどう伝えていくのか。デザインが地域のコミュニケーションに果たす役割は、ますます大きくなっていくと思っています。
広く伝わる、深く響く。そんな、機能するデザインを目指していきたいです。

Profile

木下 芳夫 Yoshio Kinoshitaグロースプランニングセンター CXクリエーティブディレクション部
クリエーティブディレクター / アートディレクター

アートディレクターの視点を生かしたグラフィックや映像の企画、プラスαのクリエーティブを心がけている。
〈主な受賞歴〉
D&AD賞 Yellow / Graphite / Wood Pencil、CRESTA賞 Gold 、ONE SHOW、ADSTARS、NYADC、NYTDC 、Good Design Awardなど。

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